BMW・Z3

BMW Z3（ツェット・ドライ）について

BMW Z3は、ドイツの自動車メーカーBMWが手がけた魅力的なクーペおよびオープンタイプのスポーツカーです。このモデルは1996年に登場し、アメリカのサウスカロライナ州にある工場で初めて製造されたBMW車でもあります。Z3はBMWの2シーターオープンカーとしてはZ1以来の新たなモデルであり、外観デザインは有名なデザイナー永島譲二によって寄与されています。

歴史的背景

Z3は、BMW・3シリーズコンパクト（E36/5）のプラットフォームをベースにしており、モデルネームはオープンカーの「E36/7」とクーペの「E36/8」となっています。興味深いことに、このE36はさらに旧世代のE30系3シリーズを基盤にしており、E46が販売される時期と重なっていました。結果的に、Z3はBMW車としては最後のセミトレーリングアーム式リアサスペンションを搭載したモデルとなったのです。2002年には生産が終了し、翌年にはZ4が後継車種として登場しますが、Z4の開発はZ3と同時期に行われており、車格としては上位モデルとなっています。

日本では、Z3が1997年に導入され、初年度には特別仕様車が先行発売されました。1997年にはロードスタータイプのモデルが登場し、1.9Lの直列4気筒エンジンが搭載されました。最初は単一グレードで販売され、単に「Z3」として知られることになります。その後、1998年11月にはトレッドが拡大され、3ナンバーサイズに変更されました。同時にクーペモデルもラインアップに加わり、2.8Lの直列6気筒エンジンを搭載した「Z3 2.8」や、MモデルとしてMロードスターとMクーペも登場しました。

モデルの展開

1999年には、マイナーチェンジが行われ「Z3」というモデル名が廃止され、新たに2.0Lの直列6気筒エンジンを搭載した「Z3 2.0」が設定されました。2000年には、エンジンとトランスミッションが見直され、「Z3 2.8」は「Z3 3.0i」に名称が変わり、「Z3 2.0」は「Z3 2.2i」となりました。2001年には「Mロードスター」と「Mクーペ」のエンジンがM3（E46）のS54型に変更され、さらに右ハンドルモデルも追加されました。そして2002年に生産が完了しました。

特徴と仕様

Z3の日本における販売価格は、おおよそ365万から700万円（最終モデル）であり、ハンドルの位置はMT車が左ハンドルのみ、AT車が右ハンドルのみという特異な仕様でした。特に「Mロードスター」と「Mクーペ」は、初めは左ハンドルのみでしたが、後にマイナーチェンジにより左右から選べるようになりました。

ソフトトップの開閉については、基本モデル（Z3、Z3 2.0、Z3 2.2i）が手動操作であるのに対し、「Z3 2.8」、「Z3 3.0i」、そして「Mロードスター」は電動式となっていました。また、これらのモデルでは安全性を考慮したロールバーが標準装備されていました。

関連情報

BMZ Z3とともに知られる関連車両には、Z4やZ8、さらには映画『007 ゴールデンアイ』での登場があり、アメリカの高級百貨店ニーマン・マーカスでは特別仕様車も販売されています。Z3はBMWのスポーツカーにおける重要な存在であり、その性能とデザインは多くの自動車ファンに愛されています。

もう一度検索