BMW・Z4

BMW Z4：歴史、モデル、特徴

BMW Z4は、ドイツの自動車メーカーBMWが製造・販売するオープンタイプのスポーツカーです。洗練されたデザインと優れた走行性能で知られ、世界中で多くのファンを魅了しています。本稿では、Z4の歴史、各世代の特徴、日本での販売状況などについて詳細に解説します。

初代Z4 (E85/E86)：2003年 - 2008年

2002年のパリモーターショーでデビューした初代Z4は、アメリカで生産された2シーターロードスターでした。モデルコードはロードスターがE85、クーペがE86です。BMW Z3の後継モデルとして登場しましたが、ボディサイズを拡大し、上位モデルとして位置づけられました。当初は直列6気筒エンジンを搭載し、後に直列4気筒エンジン搭載モデルも追加されました。アメリカ人デザイナー、クリス・バングルによるデザインは、当時大きな話題となりました。

日本では2003年1月に「Z4 3.0i」と「Z4 2.5i」が発売され、その後、様々なモデルバリエーションが追加されました。2006年にはマイナーチェンジを行い、クーペモデル「Z4クーペ 3.0si」が追加されましたが、販売は低調でした。また、ロードスターは「Z4ロードスター」に名称変更され、電動ソフトトップが標準装備化されるなど、改良が施されました。同年、高性能モデルとして「Z4 Mロードスター」と「Z4 Mクーペ」も登場しました。

2世代目Z4 (E89)：2009年 - 2016年

2代目Z4は、2009年のデトロイトモーターショーで発表されました。初代で販売不振だったクーペモデルを廃止し、ロードスターとクーペを統合した革新的なクーペカブリオレタイプを採用しました。リトラクタブル式ハードトップはアルミニウム製で、油圧アクチュエーターにより20秒で開閉可能でした。

デザインはアドリアン・ファン・ホーイドンクが担当し、「鍛え上げられたアスリート」をイメージした力強い造形が特徴です。車体の大型化と金属製ルーフの採用により重量は増加しましたが、ボディ剛性と遮音性が向上し、静粛性も改善されました。また、視認性の向上にも配慮された設計となっています。

エンジンは直列4気筒と直列6気筒ツインターボが用意され、トランスミッションはスポーツATやDCTが採用されました。「sDrive35is」は最高出力340psを誇る高性能モデルとして人気を博しました。日本市場では、様々なグレードや特別仕様車が販売されました。

3代目Z4 (G29)：2019年 -

2019年登場の3代目Z4は、トヨタ・スープラとの共同開発によるモデルです。オーストリアのマグナ・シュタイアで製造され、ソフトトップ式のオープンカーのみの設定です。

初代と2代目のZ4とは異なるデザインを採用しており、スポーティかつ洗練されたスタイルとなっています。プラットフォームやエンジンなどをスープラと共用することでコスト削減と開発効率の向上が図られました。日本市場には「sDrive20i」と「M40i」が導入され、現在も販売が続けられています。2022年にはマイナーチェンジを行い、ヘッドライトやキドニーグリルなどのデザインが変更されました。

まとめ

BMW Z4は、常に時代のトレンドを取り入れながら進化を続けるスポーツカーです。各世代で異なる特徴を持つZ4は、それぞれの魅力で多くのドライバーを虜にしています。今後もBMW Z4の動向から目が離せません。

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