BWB

BWB

BWBは、アメリカ合衆国を拠点に活動する、他に類を見ないフュージョン・トリオ・ユニットです。その名称は、メンバーであるギタリストのノーマン・ブラウン（Brown）、サクソフォーン奏者のカーク・ウェイラム（Whalum）、そしてトランペッターのリック・ブラウン（Braun）の頭文字を組み合わせたものです。それぞれがソロアーティストとして確立されたキャリアを持つ名手たちが集結し、特別なサウンドを生み出しています。

結成と音楽性

彼らがBWBとして初めて世に登場したのは2002年です。ワーナー・ブラザース・レコードよりリリースされたデビューアルバム『グルーヴィン』によって、その活動を本格的にスタートさせました。この記念すべき最初の作品は、リリースから間もなく大きな注目を集めました。アルバムのサウンドは、往年のソウルやファンク、そして初期のフュージョンといった要素が絶妙にブレンドされており、温かくも洗練された「オールド・スクール」なフィーリングに満ちています。現代的なプロダクションの中にクラシカルな雰囲気を漂わせつつ、３人の個性が光るインタープレイが魅力となっています。このデビュー作のプロデュースは、数々の名作を手がけてきた才能あふれるリッキー・ピーターソンが担当しており、アルバム全体の完成度を高めるのに貢献しています。

BWBの音楽性は、メンバーそれぞれのソロ活動で培われたスキルと経験が集約されたものです。ノーマン・ブラウンのメロウでグルーヴィーなギター、カーク・ウェイラムのソウルフルで情感豊かなサックス、そしてリック・ブラウンのクリスピーで洗練されたトランペットが互いを引き立て合い、心地よいハーモニーとダイナミックなアンサンブルを生み出しています。スムーズジャズやコンテンポラリー・ジャズを基盤としながらも、R&Bやポップスの要素も取り入れ、幅広いリスナーにアピールする普遍的なサウンドを追求しています。

その後の活動と作品

デビュー作『グルーヴィン』で鮮烈な印象を残した後も、BWBは断続的に活動を続け、アルバムをリリースしています。2013年にはセカンドアルバムとなる『Human Nature』を発表。そして2016年には、セルフタイトルとなる３枚目のアルバム『BWB』をリリースしました。これらの作品においても、彼らならではの持ち味である、メロディアスでグルーヴィーなサウンドは健在であり、ファンを魅了し続けています。

また、興味深いことに、BWBとしての名義で制作されたアルバムだけでなく、メンバー個々のソロ名義の作品においても、BWBとしての共演が実現している楽曲が存在します。これは、彼らのトリオとしての結束の強さや、共に演奏することへの情熱を示すものと言えるでしょう。例えば、カーク・ウェイラムが2003年に発表したアルバム『イントロ・マイ・ソウル』に収録された楽曲「Hoddamile (Hot or Mild)」や、2005年のアルバム『ベイビーフェイス・ソング・ブック』中の「Can We Talk」では、BWBの３人が集結し、スリリングな演奏を披露しています。さらに、ノーマン・ブラウンの2007年のアルバム『ステイ・ウィズ・ミー』に収められた楽曲「It Ain't Over BWB」も、彼らトリオによる演奏を聴くことができる貴重な例であり、ソロ作品の中にBWBの世界観が息づいています。

BWBは、個々がスタープレイヤーでありながら、３人揃った時にはさらに大きな相乗効果を生み出す特別なユニットです。彼らの創り出す音楽は、フュージョンやスムーズジャズの愛好家はもちろん、ジャンルを超えて多くの音楽ファンに支持されています。今後も彼らがどのような音楽を届けてくれるのか、期待は尽きません。

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