Backup (ソフトウェア)

Backup（バックアップ）とは

Backupは、かつてAppleが提供していたバックアップソフトウェアです。同社のオンラインサービスである.Mac（後にMobileMeにリニューアル）の加入者向けに配布されていました。

概要

2002年7月に開始された有料オンラインサービス.Macの加入者向けに提供が開始されました。このソフトウェアは、オンラインストレージiDiskからダウンロードすることができました。特徴的なアイコンには、雨傘のイラストが用いられていました。

2003年11月にはBackup 2が、そして2005年9月にはBackup 3が発表されました。特にBackup 3では、バックアッププロセスが大幅に改善され、より簡単かつ高速に実行できるようになりました。また、ユーザーがバックアップソフトを意識的に起動する必要がなく、バックアップ処理がシームレスに自動実行されるように設計されました。

2008年7月に.MacがMobileMeへとリニューアルされた後も、Backupは引き続き提供されました。しかし、MobileMeの後継サービスであるiCloudには引き継がれなかったため、2012年6月30日のMobileMeサービス終了とともに、Backupの提供も終了しました。最終バージョンは、2010年4月13日にリリースされたバージョン3.2です。

特徴

Backupの大きな特徴として、複雑な設定をせずにバックアップができるように、バックアッププラン（またはプランテンプレート）と呼ばれるプリセットが用意されていた点が挙げられます。これには、ホームフォルダのバックアップ、個人データと設定のバックアップ、iLifeのコンテンツのバックアップ、iTunesで購入した楽曲のバックアップなどが含まれます。ユーザーはこれらのプランから適切なものを選択し、バックアップ先とスケジュールを設定することができます。また、カスタム設定により、独自のプランを作成することも可能です。ただし、Backupはホームフォルダ内のファイルや設定のバックアップを主な用途としており、起動ディスク全体のバックアップには対応していませんでした。

バックアップ先として、当初はiDisk、CD-R、DVD-Rのいずれかに限定されていましたが、Backup 2からは外付けハードディスクなどへのバックアップも可能になりました。

後継となるバックアップ機能

Backupの提供終了とほぼ同時期に、Appleは以下のバックアップ機能（サービス）を開始しました。

Time Machine

Mac OS X v10.5以降には、新しいバックアップ機能としてTime Machineが搭載されました。これにより、システム全体のバックアップや復元が容易に行えるようになりました。また、Time Machineのバックアップ先として、無線LANルーターに大容量ハードディスクを組み合わせたTime Capsuleも発売されました。

iCloud

iCloudには、Backupのようなアプリケーションは提供されていませんが、iOSデバイスにある各種データをストレージ上に自動でバックアップする機能が用意されています。これにより、デバイスのデータ損失のリスクを軽減できます。

脚注

MobileMe：Backup 3.2 について - アップルサポート
アーカイブ - MobileMe：Backup のトラブルシューティングのヒント - アップルサポート
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