Bada

Bada (バダ)とは

Bada（バダ、朝鮮語: 바다）は、サムスン電子が開発したスマートフォンおよびタブレットコンピュータ向けのモバイルオペレーティングシステムです。朝鮮語で「海」を意味する「바다」に由来し、ミッドレンジからハイエンドのスマートフォンをターゲットとしていました。

歴史

2010年2月、Mobile World Congress 2010で「Wave S8500」と共に初めて披露されました。この際、ゲームロフトの「アスファルト5」などのアプリケーションがBada上で動作するデモンストレーションが行われました。発表後、Twitter、EA、カプコン、ゲームロフト、ブロックバスターなどがBadaプラットフォームへの対応を表明しました。

同年5月には、開発者向けにBadaのベータ版SDKがリリースされ、総額270万USドルの賞金が用意された「Bada Developer Challenge」が開催されました。8月にはバージョン1.0のSDK、2011年8月にはバージョン2.0のSDKがリリースされ、機能拡張が図られました。

Badaを最初に搭載した携帯電話は、2010年4月に発売された「Samsung Wave S8500」で、発売から4週間で100万台を売り上げました。

バージョン

「Samsung S8500 Wave」にはバージョン1.0が搭載され、その後、欧州ユーザー向けにマイナーフィックスされたバージョン1.0.2がリリースされました。最終バージョン1.2は「Samsung S8530 Wave II」に搭載され、2011年2月15日には「Samsung S8530 Wave II」に2.0アルファバージョンが搭載されることが発表されました。

Samsung Apps

「Samsung Wave」の発売と同時に、Badaプラットフォーム対応の国際的なアプリケーションストア「Samsung Apps」がオープンしました。2400以上のアプリケーションが登録されていました。

アーキテクチャ

サムスンはBadaをオペレーティングシステムとは定義していませんが、プロプライエタリなリアルタイムオペレーティングシステムのハイブリッドカーネル、またはLinuxカーネルのどちらかを使用できるカーネル設定可能なアーキテクチャを持つプラットフォームとしています。Samsung Wave S8500の著作権表示画面によると、BadaはFreeBSD、NetBSD、OpenBSDのコードを使用しているとされています。

デバイスレイヤーはグラフィック、プロトコル、テレフォニー、セキュリティといった中核機能を提供します。サービスレイヤーは、SMS、地図作成、アプリ内課金などのサービス中心の機能を提供し、「badaサーバー」とも呼ばれます。フレームワークレイヤーは、アプリケーション開発者が使用するC++のAPIを提供します。

Badaは、リストボックス、カラーピッカー、タブなどの標準的なユーザーインターフェースコントロールを提供し、Webkitベースのウェブブラウザに対応しています。Bada 2.0では、Adobe FlashのFlash 9、10、11（ActionScript 3.0対応のFlash Lite 4）にも対応しています。OpenGL ES 2.0 3DグラフィックAPIにも対応しており、POIを使ったインタラクティブマッピングも可能です。また、ピンチトゥズームやタブブラウジング、カット・コピー・アンド・ペーストもサポートしています。

センサーについては、モーションセンサー、バイブレーションコントロール、顔検出、加速度計、磁気センサー、傾斜センサー、GPS、マルチタッチなどに対応しています。ネイティブアプリケーションは、Bada SDKのC++や統合開発環境（IDE）のEclipseで開発され、UIビルダーやエミュレーターが備わっています。

Bada 1.xへの批判

当初、Wi-Fi経由のVoIPアプリケーションをサポートしていなかったため、Skypeなどの定番アプリが利用できませんでした。この制約は2011年3月に解除されました。

また、いくつかのメディアはBada 1.xについて、外部センサーAPIがオープンエンドでなかった点、SMS/MMS受信トレイにアクセスできなかった点、マルチタスクアプリケーションの制約などを批判しました。これらの制約はBada 2.0で解消されました。

Bada 2.0

2011年12月末にリリースされたBada 2.0では、HTML5のフルサポート、WAC 2.0準拠、フルマルチタスク、Wi-Fiダイレクトテクノロジー、Adobe Flash Lite 4対応など、多くの機能と改良が加えられました。

その他、ダウンロードマネージャー付きのDolphin 3.0ブラウザ、スマート壁紙、テキスト・トゥ・スピーチ、スピーチ・トゥ・テキスト、Vlingoをベースにした音声コマンド、プッシュ通知、NFC、新しいセキュリティポリシーと保護機能、新しいカメラマネージャー、新しいGUI、OpenAL、ChatON、Caster、Music Hubなどが追加されました。

搭載端末

Badaが初めて搭載されたのは「Samsung Wave S8500」で、スリムタッチスクリーン端末で、サムスンの「Hummingbird」CPU (S5PC110)、1GHzのARM Cortex-A8 CPU、PowerVR SGX 540 3Dグラフィックエンジン、Super AMOLEDディスプレイ、720pのHDビデオ機能を備えていました。

「Samsung S8530 Wave II」には、3.7インチのSuper Clear静電容量LCDタッチスクリーンとBada 1.2が搭載されていました。

2011年末には、Bada 2.0を搭載した3モデル（「Samsung Wave 3 (S8600)」、「Wave M」、「Wave Y」）が発売されました。「Samsung Wave 3」はハイエンドモデルで、1.4GHzのCPU、Adreno 205 GPU、4インチのAMOLEDディスプレイ、5メガピクセルのカメラが搭載されていました。

市場シェア

Canalysの調査によると、サムスンは2011年第1四半期にBada搭載端末を350万台出荷し、第2四半期には450万台に増加しました。

Gartnerの調査によると、2012年第1四半期のBadaの指数は43%増加し、市場シェアも1.9%に増加、年末には2.7%になると予測されました。

脚注

公式ウェブサイト

bada Developers

Samsung Apps

bada History

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