Adreno

Adreno（アドレノ）は、クアルコムが開発したSoC（System-on-a-Chip）向けのGPU（Graphics Processing Unit）回路です。スマートフォンやタブレット端末をはじめとするモバイルデバイスに広く採用されており、その高いグラフィックス処理能力が特徴です。

歴史

Adrenoのルーツは、ATI Technologiesが開発していた「ATI Imageon」というブランドのGPUにあります。2002年に登場したImageonチップは、PDA（携帯情報端末）、携帯電話、タブレットPCなど、多くのモバイル機器に搭載され、その性能を広く認められました。

その後、2006年にATIがAMDに買収されたことに伴い、Imageonは「AMD Imageon」としてリブランドされました。しかし、2008年の企業再編により、AMDが独自のSoC開発に注力することになったため、Imageonの開発は終了することになりました。Imageonの製造ラインは2008年末にブロードコムに売却され、その後、クアルコムへと渡りました。クアルコムは、このImageonの技術をベースに、Adrenoとして新たなGPUを開発し、現在に至っています。

AMDは現在でもImageonブランドを保有していますが、新たなImageon製品が市場に投入される予定はありません。ただし、既存の顧客に対するサポートは継続して行われています。

一覧

Adreno GPUは、クアルコムのSnapdragonシリーズのSoCに幅広く採用されています。Snapdragonは、高性能なスマートフォンやタブレット端末に搭載されることが多く、Adreno GPUはそのグラフィックス性能を支える重要な役割を担っています。

旧世代の製品一覧（サポート終了）

Imageon 100
Imageon 3200
Imageon 2200/2250
Imageon 2240
Imageon 2260/2262
Imageon 2300
Imageon 2182
Imageon 2282
Imageon 2388/2380
Imageon 2192

これらの旧世代のImageonチップは、既にサポートが終了しており、現在では使用されていません。

現世代の製品一覧

Imageon 2294/2298
Imageon TV
Imageon A250 application processor
Imageon D160 mobile TV solution
Imageon M210 audio processor
Imageon Z460 3D graphics core
Imageon Z180 vector graphics core

これらの製品は、現在でも一部の機器で使用されている可能性があります。

関連項目

Adreno GPUは、モバイルデバイス市場における主要なGPUの一つですが、その他にも様々なGPUが存在します。以下に、主な競合製品を挙げます。

MediaTek
Kirin
Apple Aチップ
Exynos
Tegra
PowerVR
Mali

これらの競合製品との競争を通して、Adrenoは常に進化を続けています。

脚注

本記事で言及した情報は、公開されている資料に基づいていますが、正確性を保証するものではありません。最新の情報については、公式ウェブサイトをご確認ください。

ウェブサイト

* 公式ウェブサイト

この公式ウェブサイトでは、Adreno GPUの最新情報や詳細な技術仕様を確認することができます。

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