Be-6 (航空機)

Be-6 (ベリエフ6)

Be-6（ロシア語: Бе-6、ビェー・スィェースチ）は、ソビエト連邦のベリエフ設計局によって1940年代後半に開発された多用途飛行艇です。この機体は、北大西洋条約機構（NATO）によって「マッジ」というコードネームが付けられ、ドイツ語で「マーガレット」という意味があります。設計コンセプトとしては、あらゆる洋上作戦に対応できる能力を持つ「多目的」としての役割が重視されました。

機体の特徴

Be-6は全金属製の構造で、特にガル翼を採用した主翼と二つの垂直尾翼が際立っています。これは、空力特性を最大限に活かし、飛行安定性を向上させるためのデザインでした。機体には、強力な2基のシュベツォフ ASh-73TKレシプロエンジンが搭載され、出力は各2,300馬力に達します。このため、Be-6は400 km/hを超える最高速度と、約4,900 kmの航続距離を実現しました。

任務と運用

Be-6の主な任務には、対潜哨戒、爆撃、雷撃による水上艦艇攻撃、さらには機雷敷設や輸送任務が含まれていました。特に北極圏や洋上での偵察任務に適した性能を持ち、幅広い任務をこなすことが可能でした。初期のうちは軍の哨戒機として使用されていましたが、1960年代に入ると、後継機であるBe-12の登場により、主に輸送機としての運用にシフトしました。

また、Be-6はソ連海軍航空隊と中国人民解放軍海軍でも使用されていました。軍用機としてだけでなく、民間の輸送活動にも使われたことがあり、その活動範囲は広域に及びました。

スペック

Be-6の具体的な仕様は以下の通りです：

• - 翼幅：33.0 m
• - 全長：23.5 m
• - 全高：7.45 m
• - 翼面積：120.0 m²
• - 空虚重量：18,827 kg
• - 通常離陸重量：23,456 kg
• - 発動機：シュベツォフ ASh-73TK×2
• - 最高速度：415 km/h
• - 実用航続距離：4,900 km
• - 実用高度：6,100 m
• - 乗員：8名

武装

Be-6は以下のような武装を装備していました：

• - 機関砲：NS-23 23mm機関砲またはNR-23×5（後に4門に減少）
• - 爆弾、深度爆弾、爆雷：最大で8つ、あるいは1000 kg魚雷×2のいずれか、またはその組み合わせ

まとめ

Be-6はその独特な設計と多用途性から、冷戦時代において重要な役割を果たしました。しかし、1960年代末までに上位機種に取って代わられ、全機が退役しました。相次ぐ技術革新の中で、Be-6はその歴史に名を刻む存在となりました。

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