Bloodborne

『Bloodborne』：ゴシックホラーの世界で繰り広げられる、死闘と探索の物語

2015年3月26日、ソニー・インタラクティブエンタテインメントからPlayStation 4|PlayStation_4向けに発売された『Bloodborne』は、フロムソフトウェアが開発を手掛けたアクションRPGです。

開発の経緯と期待

『Demon's Souls』を手掛けた実績を持つフロムソフトウェアとソニーによる新たなタッグとして、E3 2014で発表された本作は、当初2015年2月5日の発売を予定していましたが、クオリティ向上のため3月26日に延期されました。発表以前には、4chanにて「PROJECT BEAST」としてゲームの画像や動画がリークされ、多くの憶測を呼びました。

宮崎英高ディレクターは、以前から『DARK SOULS II』とは別に新たなタイトルを制作中であることを明かしており、このリーク情報と相まって、『Demon's Souls』に続く作品ではないかという期待が高まりました。実際、本作は『DARK SOULS』のDLC『ARTORIAS OF THE ABYSS』開発終了後に、ソニーからの提案を受けて開発が開始されました。しかし、『Demon's Souls』シリーズの続編という位置づけではなく、全く新しい世界観と物語を持つ完全新作として制作されています。

開発チームは「未知を探索する楽しさ」と「死闘感」をキーワードに掲げ、マップの探索だけでなく、攻略法や戦術、キャラクタービルドの研究といった要素も重視しました。また、戦闘においては、恐ろしい敵との死闘を乗り越える喜びをプレイヤーに味わってもらうことを目指しています。

世界観は『Demon's Souls』や『DARK SOULS』のようなハイファンタジーとは異なり、19世紀ヴィクトリア朝をベースにした新ゴシック様式の街並みが舞台です。ゴシックホラーの要素も強く、その雰囲気は『Demon's Souls』の「塔のラトリア」に例えられるほどです。

発売後の成功

日本での初週売上は15万2567本を記録し、週間トップ売上ソフトとなりました。イギリスでは発売初週に2万2500本を売り上げ、「バトルフィールド ハードライン」に次ぐ2位を獲得。北米でも発売月の売上ランキングで2位にランクインするなど、世界的に高い人気を博しました。発売から4ヶ月で100万本、9ヶ月で200万本と、発売元のソニーの予想を大幅に上回る売上を記録しました。

ゲームシステム

『Bloodborne』は、『Demon's Souls』や『DARK SOULS』シリーズ（以下、Soulsシリーズ）のゲームシステムを踏襲しつつ、独自の要素も取り入れています。Soulsシリーズにおける「ソウル」に相当する「血の遺志」は、通貨と経験値の両方の役割を果たします。しかし、Soulsシリーズの特徴であった左手装備の盾は、本作ではわずか2種類のみとなり、「獣狩りの銃」が主流となります。また、装備重量の概念が廃止されたことで、装備による行動制限がなくなりました。アイテム回収のシステムも、Soulsシリーズよりも緩やかな仕様に変更されています。

プレイヤーは、右手には仕掛け武器、左手には銃器を装備し、俊敏な動きで敵の攻撃を回避しながら戦います。

仕掛け武器

右手に装備する武器は全て、変形や特殊効果といったギミックを備えています。「ノコギリ鉈」は、変形前と変形後では攻撃方法や属性が変化します。変形によって両手持ちになる武器と片手持ちのままの武器があり、両手持ちの武器を使用中は左手の武器は使用できません。

獣狩りの銃と左手装備

左手装備は、基本的には銃器ですが、盾や松明も存在します。銃は消費アイテムである「水銀弾」を使用し、一度に大量の水銀弾を消費するものや、火炎放射器のような特殊な銃器もあります。銃は遠距離攻撃だけでなく、パリィにも使用できますが、一人称視点での照準はできません。盾は、Soulsシリーズのような頑丈なものではありませんが、特定の攻撃に対して有効です。松明は、武器としても使用できますが、主に視界確保のために使用されます。

輸血液

回復アイテムである「輸血液」は、本作で最も重要な回復手段です。△ボタンを押すと最大HPの40％を瞬時に回復できます。アイテムスロットには装備できず、画面上に専用のスロットが表示されます。所持上限は20個ですが、エリア内に配置されている場合や敵を倒した際に手に入ることが多いため、頻繁に補充されます。

水銀弾

銃撃や魔法攻撃に使用する「水銀弾」は、輸血液と同様に画面上に専用のスロットが表示され、アイテムスロットには装備できません。所持上限は20個で、HPを消費することで緊急補充が可能です。「血質」というステータスによって威力が変化します。

リゲイン

ダメージを受けた直後に敵を攻撃するとHPが回復する「リゲイン」システムは、『Bloodborne』独自のシステムです。落下やトラップによるダメージでも発動します。

時間帯

ゲームの進行状況に応じて、「夕刻」、「宵」、「月夜」、「青ざめた血の夜」といった時間帯に変化し、オンラインプレイにおけるマッチングやゲーム内のイベントに影響を与えます。

ダウンロードコンテンツ『Bloodborne The Old Hunters』

2015年11月24日にPlayStation Storeで配信されたダウンロードコンテンツ『Bloodborne The Old Hunters』では、新たなエリア、ボス、武器、防具、アイテムなどが追加されました。難易度は非常に高く設定されていますが、本編では語られなかったストーリーや、日本語音声への対応といった要素も追加され、本編をさらに深く楽しめる内容となっています。

ストーリーと登場人物

風土病「獣の病」が蔓延する古都ヤーナムを舞台に、主人公は「青ざめた血」を求めてヤーナムを訪れ、「獣の病」の患者である「病み人」を狩る人々と出会います。物語は、主人公の視点から、ヤーナムの謎や「獣の病」の真相に迫っていきます。

登場人物は、主人公、人形、助言者ゲールマンなど、個性豊かなキャラクターたちが登場し、物語に深みを与えています。それぞれのキャラクターに関連したイベントや、彼らの背景などが明らかになっていくにつれて、ヤーナムの複雑な歴史や、狩人たちの悲劇的な運命が浮き彫りになっていきます。

評価

『Bloodborne』は、発売当初から高い評価を得ており、ゲームレビューサイトGameRankingsでは92％、Metacriticでは93点という高評価を得ています。ゲームの雰囲気、ストーリー、グラフィック、音楽、ゲームプレイ、そして全体的な方向性などが絶賛されました。ロード時間の長さが唯一の欠点として指摘されていましたが、開発元はパッチを配布することで改善に努めました。

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