Blue (魚喃キリコの漫画)

漫画『blue』とその映画化について

『blue』（ブルー）は、魚喃キリコによる1996年の漫画作品であり、その後2003年に映画化された作品です。漫画版はマガジンハウスの『コミック アレ!』で連載され、魚喃キリコの初めての長編作品として注目を集めました。単行本としても1997年に発売され、英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語など、複数の言語に翻訳され、国際的な評価を得ています。

漫画のあらすじ

物語は、高校3年生の桐島カヤ子が中心です。彼女は学校生活の中で孤独感を感じつつ、将来に対する漠然とした不安を抱えています。そんな折、カヤ子は不遇の事情で留年した遠藤雅美と出会い、彼女と友情を育むことになります。遠藤は都会の音楽や文学に精通しており、カヤ子に新しい世界を教える存在となります。彼女への憧れが芽生える中、カヤ子は自分の可能性に目覚めていきます。

映画『blue』の特徴

映画版は、安藤尋監督により2003年に公開されました。主演はファッションモデルから女優に転身した市川実日子であり、この作品で彼女はモスクワ国際映画祭で最優秀女優賞を受賞しました。映画には同じくモデル出身の小西真奈美も出演しており、ストリート系ファッション雑誌で活動していた今宿麻美も女優デビューを果たしました。

この映画は、家庭環境を母子家庭に設定し、原作とは異なる新たな視点から物語を描いています。桐島と遠藤の関係性がより深く掘り下げられることで、友情や恋愛の複雑さが表現されています。

映画製作とロケーション

ロケ地は主に新潟市内で行われ、特に新潟駅や萬代橋など、地元の名所が映し出されています。また、高校のシーンは富山県の高岡市で撮影されています。多くの地元ボランティアの協力を得ながら、映画は地元の風景や文化を大切にしつつ制作されました。

キャストとスタッフ

映画のキャストには、市川実日子や小西真奈美の他、仲村綾乃、平山葉子などが名を連ね、演技力に定評のある俳優陣が揃っています。また、スタッフには編曲や演奏に関わった大友良英らが参加し、音楽面でも高い評価を得ました。

サウンドトラックと写真集

映画のサウンドトラックは2003年に発売され、全曲がリコーダーやベース、パーカッションによるインストゥルメンタルで構成されています。この楽曲群は、物語の雰囲気を一層引き立てる要素となっています。さらに、2003年には作品のビジュアルを集めた写真集も出版され、漫画と映画の世界観をより深く楽しむことができる作りになっています。

『blue』は、青春の葛藤や心の成長を扱った普遍的なテーマを通じて、多くの人々に感動を与え続けています。物語の舞台となる地方都市の魅力や、桐島と遠藤の関係性に注目を集め、映像作品としても高い評価を受けている作品です。

もう一度検索