C-124 (航空機)

C-124グローブマスターII

C-124（C-124 Globemaster II）は、アメリカのダグラス社によって開発された軍用輸送機であり、その愛称はグローブマスターIIです。1949年に初飛行を果たしたこの機体は、冷戦初期の戦略軍事輸送における主要な空中輸送手段として、多くの任務を遂行しました。

開発の背景

アメリカ陸軍航空軍は、大型輸送機の必要性を感じており、1942年にダグラス社にその開発を指示しました。この要請から、当時としては大規模な輸送機C-74が開発されました。しかし、戦争の終結による必要性の減少から、生産された機体は14機にとどまりました。しかし、1948年のベルリン封鎖が発生すると、C-74の活躍が見られ、この経験が後のC-124の導入を加速させました。

特徴と性能

C-124の開発は1947年に始まり、1949年11月27日に初飛行しました。この機体は、二層構造のキャビンデッキを持ち、大型のヘリコプターや戦車を搭載可能な優れた輸送能力を誇ります。また、機体前方には大きな観音開きの貨物ドアとリフトが設けられ、迅速な輸送が可能なように設計されています。

さらに、C-124は低翼配置の主翼と4基のレシプロエンジンを搭載しています。1950年5月には実戦配備され、朝鮮戦争勃発時には国連軍として活躍しました。C-124は448機が生産され、1962年までアメリカ合衆国戦略航空軍団により運用されました。ベトナム戦争では新しいジェット輸送機が登場したものの、状況によってC-124も作戦に投入されました。最終的に、1974年9月に退役しました。

現在の保存状況

現在、C-124はアメリカ国内で多くの機体が保存されており、韓国ソウルの陸軍士官学校附属博物館でも見ることができます。また、C-124をベースにしたターボプロップ型の超大型輸送機C-132も計画されていましたが、搭載予定のエンジンが完成しなかったため、その開発は中止となりました。

主要な仕様

• - 全長: 40.00 m
• - 全幅: 53.06 m
• - 全高: 14.70 m
• - 自重: 46 t
• - 最大離陸重量: 98 t
• - ペイロード: 最大31 t、または完全武装の兵員200名、もしくは戦傷兵127名を輸送可能
• - 乗員: 6名
• - 最大速度: 520 km/h
• - 最大上昇限界高度: 34,000フィート
• - エンジン: 4基のP&W R-4360空冷四重星型レシプロエンジン（各3,800馬力）

事故と事件

C-124は数々の事故にも見舞われました。1952年12月20日、ワシントンからサンアントニオに向かっていたこの機体は墜落し、乗員132人中101人が死亡しました。また、1953年6月18日には立川飛行場から朝鮮半島に向かっていた機体が離陸後に墜落し、乗員129人全員が死亡する事故が発生しました。

メディアにおける登場

C-124は映画やゲームにも登場しています。『極地からの怪物 大カマキリの脅威』ではA型が主役を果たし、主人公を北極レーダー基地に運ぶシーンがあります。『地球防衛軍』ではC型が軍事航空輸送部に配属され、大規模な物資輸送を行う様子が描かれています。

C-124グローブマスターIIは、その優れた輸送能力と引き続き多くの物語に影響を与えた航空機として、多くの人に記憶されています。

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