C-133 (航空機)

C-133 カーゴマスター

C-133は、アメリカのダグラス社によって開発されたターボプロップエンジンを搭載する4発の大型戦略輸送機です。この機体は、主にアメリカ空軍の弾道ミサイル運搬機として知られており、愛称は「カーゴマスター」です。

概要

アメリカ軍は第二次世界大戦中に戦略輸送機の重要性を認識し、戦後も引き続きさまざまな大型輸送機の開発に着手しました。具体的には、1946年にはC-74 グローブマスター、1950年にはC-124 グローブマスターIIが計画されています。これらの運用データに基づき、1950年代前半、アメリカ空軍はダグラス社に新型ターボプロップ輸送機の開発を依頼しました。

初めに、超大型輸送機XC-132が計画されましたが、搭載予定だったプラット・アンド・ホイットニー製のYT57ターボプロップエンジンの技術的問題により、開発が頓挫しました。そこで、より現実的な設計が求められることになり、新しいモデルであるDTS-1333が発表されました。このモデルは高翼低床式の設計が求められ、ローディングランプを備えることが条件とされました。

1953年12月にはモックアップ審査に合格し、C-133カーゴマスターという制式名称が与えられました。1954年には12機が発注され、この機体は試作機なしでの生産契約が結ばれました。量産初号機は1956年2月2日に完成し、同年4月26日に初飛行を行いました。

運用歴

1957年8月、C-133はデラウェア州のドーバー空軍基地に配備され、最初は大西洋地域での運用が開始されます。1958年10月にはトラヴィス空軍基地でも運用されることになりました。そして1959年には胴体を延長したC-133Bが15機発注され、大型の弾道ミサイルを搭載できる能力も手に入れました。

C-133はアメリカ空軍唯一の弾道ミサイル運搬機としても機能し、重要な役割を果たしました。しかし、機体の疲労問題と新たに導入されたC-5A ギャラクシーの強化に伴い、1971年には全機が退役しました。

派生型

• - C-133A: 初期生産型
• - C-133B: 後部カーゴドアが左右開きに変更された型

性能

C-133は6名の乗員を必要とし、ペイロードは50,000 kg（約110,000 lb）と非常に優れた輸送能力を生かしました。全長は48.02 m、全高は14.71 m、翼幅は54.77 mであり、総翼面積は248.32 m²です。空虚重量は49,631 kgで、最大離陸重量は130,000 kgに達します。

動力は4基のプラット・アンド・ホイットニー T34-P-9Wターボプロップエンジンで、出力はそれぞれ5,593 kWです。最大速度は578 km/h、巡航速度は512 km/h、航続距離はペイロードを23.6トン設定した場合、6,590 kmに達します。実用的な上昇限度は9,130 mです。

このように、C-133カーゴマスターはアメリカ空軍の運用において重要な役割を担った大型戦略輸送機として記憶されています。

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