C-5 (航空機)

C-5 ギャラクシー

C-5は、ロッキード（現ロッキード・マーティン）が開発したアメリカ空軍の軍用超大型長距離輸送機です。愛称は「ギャラクシー」で、開発当時は世界最大の輸送機として知られていました。後にソ連のAn-124やAn-225が登場することでその座を譲ることとなりましたが、現在でもその格式と輸送能力において世界最大級の地位を保っています。

開発の経緯

C-5の開発は1961年に始まりました。当時、アメリカ空軍はC-133カーゴマスターの後継機を望んでおり、いくつかの航空機メーカーに新型輸送機の提案を依頼しました。特にアメリカ陸軍は、既存のC-141 スターリフターの貨物室の狭さに不満を持っており、より多くの貨物を運べる機体を求めていました。この要望から、「CX-4計画」が立ち上げられ、1963年には新たな設計要件が具体化しました。

ロッキードを含む複数の会社が設計案を提出し、最終的にはロッキードの案が採用されました。開発は政治的な背景として、ロッキードの工場が空いていたことが影響しています。初号機は1968年に初飛行を行い、1969年から正式に納入が開始されました。

特徴

C-5の最大の特徴は、その巨体が持つ輸送能力です。約122トンの貨物を運ぶことができ、これは主力戦車2両分に相当します。また、胴体はオムスビ型で広い下面を持ち、主翼は高翼配置のデザインが採用されています。後部貨物扉があり、輸送作業が効率的に行えるように設計されています。大規模な貨物を搭載するための広大な貨物室に加え、降着装置の「ニーリングシステム」も備えています。このシステムにより、貨物の効率的な搭載作業が可能となっています。

能力と運用

C-5は、米国陸軍の様々な装甲車両や航空機を輸送可能であり、その範囲は広範です。実際に以下のような車両や航空機を搭載できます：

• - M1A1戦車×2両
• - AH-64攻撃ヘリコプター×6機
• - 兵員600名の運搬が可能など

改修と近代化

C-5はその後も進化を続け、1990年代からは近代化改修が行われ、最新型であるC-5Mへと改修されました。この改修により、性能が大幅に向上し、現在でも現役で稼動しています。アメリカ空軍の戦略輸送機として、長期間にわたって重要な役割を果たしています。

事故とトラブル

運用中には様々な事故やトラブルもありましたが、それらの教訓を活かしてC-5は改善と進化をし続けています。特に1970年代にはいくつかの重大な事故が発生し、その結果として設計の見直しが行われました。

映画や文化における登場

C-5は映画やアニメなど多くの作品に登場しており、その存在感は一般にも知られています。例として、映画『アイアムアヒーロー』や『ターミネーター:ニュー・フェイト』などで見ることができます。

このように、C-5はアメリカ空軍の輸送機においてなくてはならない存在であり、今後もその重要性は続くことでしょう。

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