CALLING (コブクロのアルバム)

コブクロ『CALLING』：多様な音楽性と細やかな表現が光る傑作アルバム

2009年8月5日、人気デュオ・コブクロが7枚目のオリジナルアルバム『CALLING』をリリースしました。前作『5296』から約1年9ヶ月ぶりの作品となる本作は、オリコンアルバムチャートで4作連続の首位を獲得という快挙を達成、さらに複数週に渡って1位を維持するなど、高い人気を不動のものとしました。年間チャートでもTOP10入りを果たすなど、その年の音楽シーンにおいて大きな存在感を示しました。

アルバムの構成と魅力

『CALLING』は、シングル曲はもちろん、ライブで人気を博した楽曲や、アルバムのために書き下ろされた新曲など、バラエティ豊かな楽曲が収録されています。特に注目すべきは、収録楽曲の多様性です。

まず、小渕健太郎が忌野清志郎氏への追悼として制作した「サヨナラ HERO」は、言葉遊びを交えた歌詞が特徴で、故人の記憶を美しく、そして力強く表現しています。一方、黒田俊介が作詞作曲を手掛けた「恋心」は、恋愛をテーマにした、黒田氏らしい繊細なメロディーと歌詞が印象的です。

さらに、シングル曲の「虹」と「STAY」は、アルバムミックスとして収録されており、シングルバージョンとは異なるアレンジが楽しめます。「虹」ではバックコーラスの音量調整がなされ、より奥行きのあるサウンドに仕上がっています。「STAY」はTBS系日曜劇場『官僚たちの夏』の主題歌として話題を呼びました。

このほかにも、インディーズ時代からライブで歌い継がれてきた「神風」や、小渕健太郎のソロ曲である「Sunday kitchen」など、コブクロの音楽史を彩る楽曲たちが網羅されています。「Sunday kitchen」では、料理をテーマにした歌詞に合わせて、調理音などのSEが効果的に使用されており、聴く者を料理の世界へと誘います。

そして、各楽曲の歌詞カードは、曲の世界観を表現する独特の字体やレイアウトが施され、視覚的にも楽しめる工夫が凝らされています。「ベテルギウス」の歌詞カードには、歌詞の色を変えた部分をつなぐとオリオン座が形成されるという隠された仕掛けがあるなど、細部へのこだわりが感じられます。

楽曲解説

サヨナラ HERO: 亡き忌野清志郎氏への追悼曲。歌詞に隠された言葉遊びが魅力。
恋心: 黒田俊介作曲による恋愛ソング。黒田氏の楽曲としては珍しい恋愛をテーマにした作品。
虹: JALCMソングとして使用された17thシングル。アルバムバージョンではバックコーラスが強化されている。
STAY: TBS系日曜劇場「官僚たちの夏」主題歌となった18thシングル。
天使達の歌: 2009年11月から東京タワーCMイメージソングとして使用された。
FREEDOM TRAIN: 18thシングルのカップリング曲。
Summer rain: 17thシングルのカップリング曲、テレビ東京系アニメ「クロスゲーム」オープニングテーマ。
Sunday kitchen: 小渕健太郎のソロ曲。料理をテーマにした楽曲で、調理音などのSEが使用されている。
神風: インディーズ時代の楽曲で、現在もライブで演奏される人気曲。
ベテルギウス: 16thシングルのカップリング曲。日産・キューブCMソング。歌詞カードにオリオン座の仕掛けが隠されている。
時の足音: 日本テレビ系火曜ドラマ「オー!マイ・ガール!!」主題歌となった16thシングル。
赤い糸: 16thシングルのカップリング曲。日本生命CMソング。

まとめ

『CALLING』は、コブクロの幅広い音楽性と、楽曲への細やかなこだわりが詰まった、聴き応えのある一枚です。シングル曲はもちろん、アルバムのために新たに制作された楽曲、そしてライブで人気の高い楽曲など、多彩な楽曲が収録されており、彼らの音楽の魅力を余すことなく堪能できます。オリコンチャートでの記録的な成功も、このアルバムの質の高さを証明していると言えるでしょう。歌詞カードのデザインにも工夫が凝らされている点も、ファンにとって見逃せないポイントです。

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