CBC歌謡ベストテン

CBCラジオで放送されている『CBC歌謡ベストテン』は、長年にわたり演歌や歌謡曲といった日本のポピュラー音楽に特化したラジオ番組です。この番組は、1972年10月14日から1995年4月8日まで続いた「第1期」と、2014年4月6日から再び放送されている「第2期」という二つの時代を持っています。

第1期は、その名の通り、毎週のヒットチャートを発表することに主眼を置いた内容でした。このチャートは、番組に寄せられるハガキによるリクエストや、当時人気だった番組「土曜天国」への電話リクエスト、さらには愛知県、岐阜県、三重県の東海三県にあるレコード店の週間売上データ、有線放送でのリクエスト回数、そしてジュークボックスでのリクエスト回数など、多様な要素を総合的に集計し、番組独自の形で決定されていました。このユニークな順位決定方法について、パーソナリティを務めた荒川戦一アナウンサーが「バケツに入れてぐるぐるかき混ぜて出来上がったのがこの順位」と表現するなど、親しみやすい説明がリスナーに届けられていました。

第1期の放送時間は、開始当初の土曜深夜から始まり、徐々に早い時間帯へと移行していきました。特に1988年4月からは、「土曜天国」の終了に伴い、土曜日の午後の長時間枠（13:00～16:00など）へと移動し、番組の規模が拡大しました。その後も終了まで土曜午後の時間帯で放送されました。

この長い歴史の中で、多くのパーソナリティが番組を彩りました。初期の田中輝信さん、伊藤春雄さんから、荒川戦一さん、そして放送時間の拡大に伴いコンビ体制となった島津靖雄さんと高崎やすこさんなど、様々なアナウンサーやタレントがマイクの前に立ちました。重盛啓之さんも二度にわたりパーソナリティを務めており、1989年から1994年までの担当時には、神山里美さんとのコンビで、デュエットソング「星の旅人」を企画・制作し、実際にCDが発売されたというエピソードも残っています。歴代パーソナリティの中には、TBS系の人気音楽番組「ザ・ベストテン」に出演した経験を持つ方も複数いました。

第2期は、2014年4月6日にスタートしました。これは、それまで放送されていた「CBC演歌ベストテン」の後継番組という位置づけで、従来の演歌に加え、より幅広い日本の心を歌う楽曲である「歌謡曲」を取り上げています。番組の提供スポンサーは、第1期の一部時代や前番組から引き続き長島温泉が務めており、温泉施設「湯あみの島」のステージで公開録音が行われることもあります。第2期の放送時間は、当初日曜日の夜9時台に始まり、その後数回の時間変更を経て、現在は日曜日の21:00から22:00までの放送となっています。現在のパーソナリティはさゆりん（井上小百合）さんが担当しています。

『CBC歌謡ベストテン』は、時代と共に形を変えながらも、日本の歌謡曲、特に演歌を中心とした音楽文化を東海地方に発信し続けてきた重要な番組です。多様なデータに基づいた独自のチャート発表、個性豊かなパーソナリティによる進行、そしてリスナーとの密接なコミュニケーションを通じて、多くの音楽ファンに愛されてきました。その歴史は、東海地方のラジオ文化、そして日本のポピュラー音楽史の一部を形成しています。

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