CEIBAインターコンチネンタル71便空中衝突事故

CEIBAインターコンチネンタル航空71便空中衝突事故

2015年9月5日、レオポール・セダール・サンゴール国際空港発、マラボ国際空港経由でコトヌーのカジェフォウン空港へ向かっていたCEIBAインターコンチネンタル航空71便（以下、71便）が、セネガルエアの救急便とセネガル東部上空で空中衝突するという痛ましい事故が発生しました。

事故の概要

71便はボーイング737-8FB型機で運航されており、マラボへの着陸に成功し、乗員乗客は全員無事でした。しかし、セネガルエアの救急便はホーカー・シドレー HS125-700A型機で、衝突により墜落。乗客乗員全員が死亡するという悲劇的な結末となりました。

事故当時、71便と救急便はセネガル東部上空の高度35,000フィート（約11,000メートル）を巡航中でした。71便では、空中衝突防止装置（TCAS）による警報が事前に作動せず、両機がすれ違った後に初めて警報が発せられたとされています。71便の乗員乗客は、小さな揺れや異音を感じていました。

71便は右翼のウィングレットを損傷していたため、当初の目的地であるコトヌーへの寄港を中止し、赤道ギニアのマラボ国際空港へ向かいました。一方、セネガルエアの救急便は衝突によって機内の減圧が発生し、乗員乗客は意識を失ったとみられています。救急便からの応答が途絶えたため、管制官が異常を察知しましたが、救急便は自動操縦で飛行を続け、目的地であるダカールを通過後、消息を絶ちました。その後、燃料切れとなりダカール沖約110kmの大西洋上に墜落したと推定されています。

71便の着陸後、ウィングレットの損傷状況から空中衝突が発生したことが確認されました。

事故原因の究明

セネガルの航空事故調査局（BEA Sénégal）は、2017年8月21日に最終報告書を発表しました。報告書によると、事故の直接的な原因は、救急便が指示された高度34,000フィート（約10,000メートル）ではなく、高度35,000フィート（約11,000メートル）を飛行していたことでした。

しかし、救急便のブラックボックスが機体とともに発見されなかったため、根本的な原因は特定されていません。報告書では、事故以前の数か月間に高度計とトランスポンダの間で高度の不一致が繰り返し発生していたことから、高度計の故障が事故の一因となった可能性が指摘されています。

また、セネガルエアにおける安全規則の不遵守も、事故に影響を与えた要因として挙げられています。事故機の担当整備責任者が事故前月に退職し、後任が不在のまま飛行が許可されていたことや、高度計の不具合が指摘されていたにもかかわらず、適切な対応が取られていなかったことなどが問題視されています。

本事故から得られる教訓

CEIBAインターコンチネンタル航空71便空中衝突事故は、航空機の安全確保における様々な課題を浮き彫りにしました。高度管理の重要性、TCASの信頼性向上、航空会社の安全管理体制の強化など、多くの教訓が含まれています。事故の経験を活かし、二度とこのような悲劇が繰り返されないよう、航空業界全体で安全対策を徹底していく必要があります。

関連項目

ゴル航空1907便墜落事故

脚注

(参考文献や出典元をここに記載)

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