CH-53K (航空機)

CH-53Kキングスタリオン

CH-53Kは、シコルスキー・エアクラフト社によって開発された大型輸送ヘリコプターで、その愛称は「キングスタリオン」です。この機体は、既存のCH-53Eを基盤にした新しい世代のヘリコプターであり、2015年に初飛行を果たしました。アメリカ海兵隊は、このヘリコプターを200機導入する計画を立てています。

開発背景

CH-53Eは1981年から運用されており、アメリカ海兵隊と海軍で広く利用されてきました。しかし、時間の経過と共にこの機体の老朽化が進み、2009年からは退役が進められました。そこで、CH-53Eの後継機として「HLR（Heavy Lift Replacement）」計画が立ち上げられ、CH-53Kの開発が進められました。初めはCH-53Eの近代化改修案が出されましたが、コストや整備時間の問題が解決できず、新型機の開発に方向転換されました。

この新型機には、シコルスキーに加えて、GKN、EDO Corporation、ロックウェル・コリンズ、Sanmina、スピリット・エアロシステムといった5つの企業が共同で開発に携わりました。主な改良点としては、出力を向上させるための新しいエンジン、コックピットのデジタル化、機体の大型化、最大搭載重量の増加などが挙げられます。

性能と特徴

CH-53Kは、ゼネラル・エレクトリック社製のGE38-1Bエンジンを3基搭載しており、出力は7,500shp（約5,600kW）に達します。このエンジンの採用によって、従来のモデルよりも飛行性能が大幅に向上しました。機体の全長は30.2m、高さは8.46m、回転翼の直径は24.1mです。最大搭載可能重量は33,600kgで、914x262x198cmの貨物室を備えています。

また、巡航速度は170ノット（約315km/h）で、海面上の上昇率は664m/mです。実用的な上昇限度は14,400フィート（約4,400m）、航続距離は約841kmに達します。5名の乗員で運用され、XM218やM3M/GAU-21などの武装も搭載可能です。

配備状況

アメリカ合衆国の海兵隊では、2018年5月に最初のCH-53Kが納入されるなど、200機の導入が進められています。また、イスラエルや日本もCH-53Kに関心を示しており、イスラエルでは“Yasur”という機体の後継機を検討中です。日本でも2023年に開催された防衛展示会で模型が展示され、将来的な導入期待が高まっています。

過去には、ドイツがCH-53Kの採用を検討しましたが、最終的にはCH-47Fが選ばれました。

おわりに

CH-53Kキングスタリオンは、アメリカ海兵隊とその協力国において、今後の大型輸送ヘリコプターの中心的存在となることが期待されています。その優れた性能と多用途性により、兵員輸送や物資輸送任務での活躍が期待され、各国の防衛力強化に寄与することでしょう。

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