CHILDHOOD'S END

TM NETWORK|TM_NETWORKのアルバム『CHILDHOOD'S END』

『CHILDHOOD'S END』は、TM NETWORK|TM_NETWORKが1985年6月21日にEPIC・ソニーよりリリースした2枚目のスタジオアルバムであり、そのタイトルはアーサー・C・クラークの小説『幼年期の終り』から取られています。このアルバムには、都会的な恋愛をテーマにした楽曲が収められており、SF的な要素が織り交ぜられた歌詞が特徴です。

アルバムの背景

前作『RAINBOW RAINBOW』から約1年2ヶ月ぶりのリリースとなった本作は、1984年12月から1985年4月にかけて複数のスタジオで録音されました。プロデューサーは小室哲哉であり、松井五郎をはじめとする多くの作詞家が参加しています。音楽は、エレクトリックな要素が薄れ、バンドサウンドが前面に押し出されたスタイルへと変化しました。

アルバムは、前作のファンタジー性とは対照的に、より現実的な視点が盛り込まれています。シングル「アクシデント (ACCIDENT)」や後にリカットシングルとして登場した「DRAGON THE FESTIVAL (ZOO MIX)」も収録されており、商業的成功を意識したポップな曲調が特徴です。

レコーディングと音楽性

レコーディングは一口坂スタジオやCBS・ソニー六本木スタジオなどで行われ、そのスタイルは生ドラムや生ギターを用いて、打ち込みの要素が薄れたことが特徴です。小室は、この作品を通じてアマチュア感を払拭し、プロの音楽グループとして成長する姿を表現したいという思いを込めてアルバム制作に取り組みました。

楽曲には、商業的意識を反映させたものが多く含まれ、特に小室が少年時代に影響を受けたアーティストのスタイルが見て取れます。音楽雑誌での評価も高く、アルバム全体が多彩でカラフルな作品として位置づけられています。

リリースと評価

『CHILDHOOD'S END』は、オリコンチャートで最高40位を記録しました。LPやカセットテープだけでなく、その後CDとしてもリリースされ、何度も再発され続けました。また、ジャケットアートも初版と再版で異なり、ミュージシャングループの雰囲気を一層引き立てています。

リリース後、TM NETWORK|TM_NETWORKはファンイベントやツアーを通じて、同アルバムの楽曲を演奏し続け、ファンとのつながりを深めていきました。

総評

音楽情報サイトでは、アルバムの生演奏比率の増加や、歌詞のファンタジーから現実的な内容への変更が評価されています。小室の音楽スタイルの変化や進化に興味を持つリスナーにとって、このアルバムは重要な過渡期の作品であり、TM NETWORK|TM_NETWORKが日本の音楽シーンで確固たる地位を築くための一歩となった作品といえるでしょう。

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