CLS (コマンド)

CLSコマンドとは

CLS（クリアスクリーン）コマンドは、主にMS-DOS、OS/2、Microsoft Windowsのコマンドプロンプトで使用されるコマンドで、コンソール画面の表示内容を消去する役割を持ちます。このコマンドは、ユーザーが入力したコマンドの履歴を消去するものではありません。

歴史と起源

CLSコマンドはマイクロソフトによって画面消去のコマンドとして確立されました。MS-DOS以前にも、TRS-80 Color BASICのような8ビットパソコンの内蔵ROM BASICにその起源を見ることができます。その後、MS-DOSに移植されたBASICAやGW-BASICにも、BASICのキーワードとして受け継がれました。
また、マイクロソフト以外のBASIC言語にも実装されており、BBC MicroのBBC BASICなどが例として挙げられます。

BASIC言語におけるCLSコマンド

現在でも、Microsoft Windows環境で使われているBASIC言語において、フォーム画面やコントロール上のテキストを消去するために、CLSコマンドが活用されています。しかし、全てのBASIC環境で画面消去コマンドが「CLS」であるとは限りません。例えば、Apple IIのApplesoft BASICでは、テキストの消去にはHOMEコマンド、グラフィックの消去にはGRコマンドを使用します。
また、HP BASICではCLEAR SCREENコマンド、パナファコム LKit-16 BASICではERASEコマンドが同様の機能を提供します。このように、BASIC言語の種類によって画面消去の方法は異なります。

引数の解釈の違い

同じ「CLS」コマンドでも、引数の解釈には環境によって違いが見られます。例えば、WindowsのCLSコマンドでは引数を指定しても解釈されませんが、GW-BASICでは「CLS 1」でグラフィック画面を消去します。一方で、N88-BASICでは「CLS 1」がテキスト画面の消去、「CLS 2」がグラフィック画面の消去を意味します。このように、同じコマンドでも、異なる環境では異なる挙動を示すことがあるため、注意が必要です。

他の環境での類似コマンド

CLSコマンドと同等の機能は、他の環境でも提供されています。LinuxやUnix系の環境では、`clear`コマンドが画面を消去する役割を担います。また、BASIC言語の環境によっては、HOME、CLEAR SCREEN、ERASEなど、様々なコマンドが画面消去の目的で使用されます。

まとめ

CLSコマンドは、歴史的に多くの環境で使用されてきた画面消去コマンドです。しかし、その挙動や引数の解釈は環境によって異なるため、使用する際は注意が必要です。また、様々な環境で同様の機能を提供するコマンドが存在するため、環境に応じて適切なコマンドを選択することが重要です。

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