CONFIG.SYS

CONFIG.SYSファイル：OS起動時の設定ファイル

CONFIG.SYSは、[MS-DOS]]やOS/2などのオペレーティングシステム]において、システム起動時の初期設定を行う重要なファイルです。[[Windows NT系OSでは、同様の機能を持つCONFIG.NTファイルが使用されます。CONFIGはConfiguration（設定）の略で、システムが動作するために必要な様々なパラメータを記述することで、OSの動作環境をカスタマイズします。

CONFIG.SYSの役割

このファイルは、OS起動時に最初に読み込まれ、システムが使用するメモリ領域の割り当て、周辺機器(デバイス)ドライバの読み込み、ファイル操作に関する設定などを実行します。具体的には、拡張メモリ（8086系CPUのリアルモードでアクセスできないメモリ領域）の使用、CD-ROMなどのデバイスドライバのロード、同時起動ファイル数の制限など、OSの動作に直接影響を与える設定を行います。Windows 9xシリーズなど、下位層にMS-DOS部分を持つOSでも、起動初期設定の一部としてCONFIG.SYSが使用される場合があります。

CONFIG.SYSファイルは、起動ドライブのルートディレクトリに配置されます。ただし、DR-DOS (DCONFIG.SYS) やFreeDOS (FDCONFIG.SYS)など、一部のMS-DOS互換OSではファイル名が異なる場合があります。

CONFIG.SYSの構文

CONFIG.SYSは、基本的に上から順に記述されたコマンドを解釈していきます。ただし、一部のコマンドは、記述位置に依存しないものもあります。主要なコマンドは以下の通りです。

`DEVICE=(デバイスドライバのパス、パラメータ)`: デバイスドライバをコンベンショナルメモリにロードします。
`BUFFERS=(数値)`: ディスクアクセスのためのバッファ領域数を指定します。数値が大きいほどディスクアクセスの速度が向上しますが、コンベンショナルメモリを消費します。
`FILES=(数値)`: 同時に開くことのできるファイルの最大数を設定します。
`FCBS=(数値)`: FCB（ファイルコントロールブロック）を用いて同時に開くことのできるファイルの最大数を設定します。これは、MS-DOSバージョン2.0以前の古いファイル管理方式に関連したコマンドです。
`SHELL=(シェルのパス、パラメータ)`: 使用するシェルプログラムを指定します。省略時はCOMMAND.COMが使用されます。
`LASTDRIVE=(A-Z)`: 使用可能なドライブ文字の最大値を指定します。省略時はPが使用されます。
`COUNTRY=(国番号),(コードページ),(country.sysのパス)` (DOS/V|DOS_Vのみ): 国番号、コードページ、country.sysのパスを指定し、文字コードを設定します。
`DEVICEHIGH=(デバイスドライバのパス、パラメータ)` (MS-DOS 5.0以降): デバイスドライバをUMB(Upper Memory Block)にロードします。UMBが使用できない場合、コンベンショナルメモリにロードされます。
`DOS=(HIGH/LOW),(UMB|NOUMB)` (MS-DOS 5.0以降): MS-DOS本体をHMA(High Memory Area)にロードするか(HIGH)、UMBを使用するか(UMB)を設定します。省略時はLOW, NOUMBとなります。
`INSTALL=(常駐コマンドのパス、パラメータ)` (MS-DOS 6.2以降): デバイスドライバ以外の常駐プログラムを実行します。
`SET (変数名)=(文字列)`: 環境変数を設定します。
`BREAK (ON/OFF)`: Ctrl+Cによる割り込みの有効/無効を設定します。
`REM` または `;` で始まる行: コメント行として処理され、無視されます。
`?`で始まる行: コマンドの実行前に確認を求めます。

CONFIG.SYSの設定例

ここでは、イギリスと日本のPCにおけるCONFIG.SYSの設定例を示します。

イギリスのPC/AT互換機 (例)

この例では、拡張メモリ管理、マウスドライバ、各種ユーティリティのロード、コードページの設定などが行われています。


DEVICE=C:\DOS\HIMEM.SYS
DEVICE=C:\DOS\EMM386.EXE UMB
DOS=HIGH,UMB
DEVICEHIGH=C:\WINDOWS\MOUSE.SYS
DEVICEHIGH=C:\DOS\SETVER.EXE
DEVICEHIGH=C:\DOS\SMARTDRV.EXE
COUNTRY=044,437,C:\DOS\COUNTRY.SYS
SHELL=C:\DOS\COMMAND.COM C:\DOS /E:512 /P


日本のNEC PC-9800シリーズ (MS-DOS 5.0以降、例)

PC-9800シリーズでは、日本語表示が標準対応しているため、コードページ設定などのドライバは不要です。


DEVICE=A:\DOS\HIMEM.SYS
DEVICE=A:\DOS\EMM386.EXE /UMB
DEVICEHIGH=A:\DOS\NECCD.SYS /D:CD_101
SHELL=A:\COMMAND.COM /P /E:2000
LASTDRIVE=Q
DOS=HIGH,UMB


これらの例は、システム構成や利用状況によって変更する必要があります。適切な設定を行うことで、システムのパフォーマンスや機能を最適化できます。

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