COSMO-SkyMed

COSMO-SkyMedとは

COSMO-SkyMed（COnstellation of small Satellites for the Mediterranean basin Observation）は、イタリアで開発された地球観測衛星システムです。このプロジェクトは、イタリアの軍事研究所と国防省が資金を出し、イタリア宇宙機関（ASI）が実行しています。COSMO-SkyMedは、主に地中海盆地地域を対象にした観測を行い、民間と軍事の両方で活用されることを目的としています。

衛星の特徴

COSMO-SkyMedは、合成開口レーダーを搭載した4基の中型衛星から構成されています。衛星は高度620kmの位置にあり、16日ごとに地球を一周する太陽同期準極軌道に展開されています。この配置により、衛星は地球全域をカバーし、特定地域に対してはどんな天候条件でも1日数回の観測が可能です。

得られた画像データは、イタリア国内および他国の安全保障、地震や環境災害の解析、農業マッピングなどに利用される予定です。さらに、衛星の打ち上げはアメリカのユナイテッド・ローンチ・アライアンスによって実施されており、信頼性の高い宇宙開発が行われています。

地上施設

COSMO-SkyMedシステムの運用には、地上の支援施設も重要な役割を果たします。各種施設は以下のように構成されています。

• - コマンドセンター: イタリアのCentro Controllo e Pianificazione Missione del Fucinoが管理しています。ここでは、衛星の運用やミッション計画の管理が行われます。

• - トラッキング・データステーション: 衛星の動きを追跡するために、以下の場所に配置されています。

- アルゼンチンのコルドバステーション
- スウェーデンのキルナステーション

• - ユーザー地上セグメント: COSMO-SkyMedのデータを利用するための地上のセグメントです。次の施設があります。

- イタリアのMatera Civil User Ground Segment
- イタリアのPratica di Mare Defence User Ground Segment
- フランスのDefence User Ground Segment

これらの地上施設は、衛星から送られてくるデータの受信、処理、配信を行い、ユーザーが必要な情報を迅速に得られるようにしています。

まとめ

COSMO-SkyMedは、最新の技術を駆使して地中海地域の観測を行うシステムです。そのデータは、さまざまな分野での研究や政策決定に貢献することが期待されています。軍事効用と民間利用の両面を持つこのプロジェクトは、国際的な安全保障や環境管理にも寄与する重要な試みです。

もう一度検索