キルナ

キルナ

キルナは、スウェーデン最北に位置する都市で、ノールボッテン県に属しています。人口は約2万3000人であり、市街には約1万7000人が暮らしています。この都市の市章には、鉄とライチョウが描かれており、これはキルナが鉱業と密接な関係があること、そして街の名前がサーミ語で「ライチョウ」を意味する「キロン」に由来することを示しています。かつてはルオッサヴァーラと呼ばれていました。

概要

キルナの発展は、1891年に鉄道が開通し、鉱山会社LKAB（ルオッサヴァーラ＝キルナヴァーラ）が広大な土地を取得したことに始まります。1948年に市制が施行された当初は、世界で最も面積の広い市でした。1970年代の行政区改革により、現在の面積は約20,000平方キロメートルとなり、オーストラリアのマウントアイザに次いで2番目に広い市となっています。キルナはラップランド地方に位置し、古くからサーミ人がトナカイの放牧を行いながら生活していました。現在でも、郊外にはサーミ人が暮らしています。北極圏に位置するため、夏には太陽が沈まない白夜、冬にはオーロラを観測することができます。

特筆すべきは、鉱山の採掘区域が市街地の下にまで広がっているため、約6000人が住む市街地を東へ3キロメートル移動させるという大規模な計画が進行していることです。

気候

キルナは亜寒帯湿潤気候に属しています。冬は長く寒く、雪も比較的頻繁に降ります。夏は短く、最高気温が20℃を超えるのはごくわずかな期間に限られます。シベリアのような極端な低温ではありませんが、寒暖差が大きいのが特徴です。

産業

キルナの主要な産業は、何と言っても鉄鉱石の採掘です。国営企業LKABが運営するキルナ鉱山では、高品質な鉄鉱石が1日に約7万トンも産出されています。当初は露天掘りでしたが、現在では1000メートル以上の深さまで地下を掘り進めています。採掘作業はすべてコンピューター制御の機械によって行われています。将来的には地下2000メートル程度まで採掘を拡大する計画があり、それに伴い地盤や地下水道管のずれが生じる可能性があるため、20～25年かけて市街地を移転させることになりました。採掘された鉄鉱石は、オーフォート[[鉄道]]で輸送され、夏はボスニア湾に面したルレオから、冬は湾が凍結するため、大西洋の不凍港であるノルウェーのナルヴィクから輸出されています。日本の地理教育では、キルナを覚える語呂合わせとして「鉄はキルナ」が使われることがあります。

観光

キルナでは、毎年1月に雪と氷の祭典が開催され、雪像や氷像のコンテストが行われます。また、キルナから東へ16キロメートル離れたユッカスイェルヴィ地区には、世界的に有名なアイスホテルがあります。毎年約3万人が宿泊するこのホテルでは、世界各国のアーティストがデザインしたスイートやアイスルーム、スノールームで、氷のベッドとトナカイの皮の上に敷いた寝袋で眠るという特別な体験ができます。アイスホテルは毎年11月に建設されますが、4月になると気温の上昇とともに溶けてしまいます。冬にはオーロラ観測や犬ぞりも楽しめます。

姉妹都市

ナルヴィク（ノルウェー）

外部リンク

公式サイト
アイスホテル
在日スウェーデン大使館公認 観光情報サイト（日本語）

もう一度検索