CR機

CR機（シーアールき）とは

CR機とは、プリペイドカードに対応したパチンコ遊技機の一種です。パチンコホールにおける経理の透明化を図る目的で導入されました。

「CR」の意味

「CR」の語源は、「card reader」の頭文字であるという説が有力です。1992年の登場当初は諸説ありましたが、現在ではこの説が定着しています。

CR機は、パチンコ玉の供給方式による区別であり、デジパチの別名ではありません。現金機など、供給方式が異なる機種と対比されます。しかし、CR機と現金機では、確率変動に関する基準が異なり、遊技機のゲーム性にも影響を与えています。そのため、羽根モノといった括りでも分類されます。

現金機のイメージが強い羽根モノタイプの機種でも、「CR - 」の接頭語を持つ機種も存在します（2012年現在）。

2018年2月以降に型式試験を受けた機種は、「CR」の代わりに「P」の接頭辞を持つ「P機」となっています。「CR機」と「P機」では、内部規定も大きく変更されている点に注意が必要です。

概要

1980年代末に全国共通のプリペイドカード導入構想が発表され、1990年代初めに普及しました。この構想には、日本遊技機工業組合（日工組）などが賛同しましたが、全国遊技業協同組合連合会（全遊協）の内部では意見の対立がありました。その後、組織の一本化が図られ、全遊協は解散しました。

CR機導入当初は、ホール内の販売機でプリペイドカードを購入し、パチンコ台横のカードリーダーに差し込んで遊技するシステムが主流でした。しかし、残高が無くなると席を離れる必要があったため、現在ではこのシステムを採用しているホールは少数です。

現在では、紙幣をパチンコ各台横の玉貸機に投入して遊技できるシステムが主流です。高額紙幣に対応した挿入口を備えたホールも増えており、残高が記録されたICカードが出てくるようになっています。

CR機導入の際には、コスト増や変造カード対策への懸念がありましたが、パチンコ台の大当りにおける確率変動（確変）機能の付加を許可することを条件に、CR機導入が促進されました。

CR機には、本体に直接読取装置が付いているものと、外部の読み取り機を接続するものがあります。内規により、型名の接頭辞を「CR」とすることが定められています（例：「CR新海物語」）。

歴史

初のCR機は1992年8月に6メーカーから同時発表されました。CR機登場後しばらくは、現金機の連チャン機が市場を席巻していたことなどから、販売台数は伸び悩みました。

CR機が爆発的に普及するきっかけとなったのは、1993年11月に起こった「ダービー物語事件」です。この事件以降、現金機の連チャンが厳しく規制される一方、CR機に限って確率変動などの連チャン機能が認められました。

西陣より発売された「CR花満開」は、5万台以上のヒットを記録し、CR機が現金機にとって代わる大きなきっかけとなりました。

変造カード問題

変造カードとは、使用済みプリペイドカードの磁気情報を改ざんし、再度遊技できるようにしたカードのことです。変造カード事件が発生し、カード変造者やカード使用者が逮捕されるなど問題となりました。

一部のパチンコ店は、変造カードを使って架空の売上を計上するようになり、カード会社の被害額は630億円以上にも及びました。その後、不正対策が施され、現在に至ります。

パチスロのCR機対応

パチスロについてはかつてCR機能が試験的に導入されたことがありましたが、普及しませんでした。2004年に改正された機械規則に、全てのパチスロ機にCRユニットと接続できるインタフェースを備えることが盛り込まれましたが、業界全体で見ればCR機能への対応は進みませんでした。

パチスロにおいては、パチンコとの区別のためにカード対応機のことを「CS機」と呼ぶことが決定されています。

2022年11月に導入が始まったスマスロでは、パチスロ機本体とは別にICカードなどを管理する専用ユニットを用意し、両者を接続することで初めて遊技が行える仕組みとなっており、これによってようやくパチスロ業界においてもCR機能の本格導入が始まりました。

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