CRUISE (中森明菜のアルバム)

アルバム『CRUISE』の魅力

中森明菜の14作目となるスタジオ・アルバム『CRUISE』は、1989年7月25日にリリースされました。本作は、ワーナー・パイオニア（現：ワーナーミュージック・ジャパン）から発売され、LP、カセット、CD、GOLD CDの4つの形態で手に入れることができます。特にLP盤は、本作が彼女の最後のLPリリースとなっており、現在では貴重な存在となっています。

このアルバムは、中森明菜がワーナーに在籍していた時期の集大成とも言える作品で、収録されている楽曲はミディアムやスローテンポが中心です。著名なメディア『ザテレビジョン』では、シングル「LIAR」と同様に、失恋をテーマにしたバラードが多く収録されていると指摘されています。彼女のファンクラブ「MILKY HOUSE」でも、シングル候補として選ばれた楽曲が集められ、バラードの良さが存分に発揮されています。

アルバムタイトルの「CRUISE」は「巡航」や「航海」を意味し、実は当時、彼女が大ファンだったトム・クルーズにちなんで名付けられました。レコーディング作業は1989年4月の初めにニューヨークにあるザ・ヒット・ファクトリーで行われ、中森のファッションブック『CRUISE 中森明菜ファッションブック』の発売と連動しています。このファッションブックは1989年6月16日とのことですが、撮影地はパリ、ロンドン、ニューヨーク、そして東京の4都市にわたり、ジャケットデザインにも利用されました。

特典としては、カラー・ポスターやLP初回プレス分には2種類のポートレートが附属しており、これが、アルバム発売から30年を経た今でもプレミアム価格で取引される理由の一つです。加えて、CD盤に関しては、国内プレスだけでなくUSプレスも存在し、そのカタログ番号は同じです。

シングル「LIAR」は、1989年4月25日に発売され、本作のリード・シングルとなった楽曲です。このシングルはオリコン年間シングルチャートでトップ30に入り、アルバム内で4曲目に配置されています。また、本作の批評は好評で、『CDジャーナル』では、テンポの速い楽曲がないにもかかわらず、充実したアレンジと深みある音楽性が印象的だと評価されています。

『CRUISE』はオリコン週間アルバムチャートで1989年8月7日付に初登場し、最高1位を記録しました。その後も連続して1位を保持し、計14週間ランクインするという快挙を達成しました。特に、異なるメディア別での評価も高く、LP、CD、カセット全てで最高1位を獲得しました。また、1989年度の年間アルバムチャートでも31位を記録し、中森明菜がデビュー以来8年間連続でトップの座を獲得したことは素晴らしい実績です。

このアルバムには、リスナーを惹きつける魅力的なバラードが満載であり、中森明菜の音楽的成長と変化が感じられる一枚となっています。彼女のファンはもちろん、新たに彼女の音楽を知る人々にとっても、聴く価値のあるアルバムです。

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