CX-1 (ミサイル)

CX-1 (Chaoxun-1) ミサイル

概要

CX-1（チャオシュン-1）は、中華人民共和国が開発した超音速対艦巡航ミサイルです。このミサイルは2014年11月、中国の珠海で開催された国際航空宇宙博覧会で初めて公開されました。その設計には、輸出市場での展開が強く意識されています。

性能

CX-1の最大の特徴はその高速性能にあります。約17,000メートルの高度でマッハ2.8からマッハ3の超音速を発揮します。2段式ブースターで加速した後、飛行プロファイル（低-高-低）を変化させながら、最大約280キロメートル先の目標を目指します。終末段階では、目標から約10キロメートルの距離で高度を海面からわずか10メートルまで下げて突入します。搭載弾頭は約260キログラムで、平均誤差半径は約20メートルとされる高い命中精度を持ちます。

派生型とシステム

本ミサイルには、艦船からの発射を想定したCX-1Aと、車両搭載型の陸上移動式CX-1Bが存在します。対艦型は標準で半徹甲弾頭を装備します。地上攻撃機能も持ち得るとされ、その場合は異なる弾頭（爆裂破砕弾頭や貫通弾頭）を選択できる可能性があります。陸上システムは、指揮・支援車両と、ミサイル発射機や運搬・装填車両などで構成されます。将来的な潜水艦発射型も示唆されています。

輸出戦略

CX-1は輸出専用として開発されたと広く見られています。これは、MTCRの規制（500kg/300km超）対象とならないように性能が調整されていることから推測されます。主な潜在顧客候補国としては、パキスタンをはじめ、イラン、南米やアフリカの一部地域が挙げられます。ただし、これらの地域ではロシア製の類似システムとの競合も激しく、具体的な輸出実績の詳細は明らかになっていません。

ブラモスミサイルとの関連性

公開当初、CX-1はロシア・インド共同開発のブラモスミサイルとの類似性（円錐形吸気口、2段構造、寸法など）から、コピーではないかとの憶測を呼びました。しかし、中国はブラモスミサイルを運用していません。その後の分析では、CX-1がブラモスの直接的なコピーではなく、むしろ中国が過去に導入・運用してきた他のロシア製対艦ミサイル（例：SS-N-22サンバーン）の技術や設計思想を基に独自に発展させた可能性が高いとの見方が有力です。表面的な類似点はあるものの、主翼やエンジンの構造などに重要な違いがある点が指摘されています。

運用国

現在、CX-1はアルジェリアの人民国民軍によって運用されていることが確認されています。

関連事項

ブラモス
P-800 (ミサイル)
FC/ASW
YJ-18
* ASM-3

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