CasTY

casTY（キャスティ）について

casTY（キャスティ）は、吉本興業と東京電力が共同で設立した株式会社キャスティによって運営されていた無料動画ポータルサイトです。その名称は「Content Aggregate Service by TEPCO & YOSHIMOTO」の頭文字を基に、両社の協力のもとでコンテンツを収集・開発するという意図が込められています。

設立とサービス開始

この会社は2001年11月30日に設立され、2002年10月22日からサービスをスタートしました。主に東京電力の光ファイバー接続サービス「TEPCOひかり」の一部として展開され、特にTEPCOひかりのユーザー向けには1Mbpsという高画質な映像配信が行われました。一方で、他のインターネットサービスプロバイダからの接続者には56kbpsと256kbpsでの配信を行い、差別化を図っていました。

幅広いコンテンツとユニークな機能

casTYでは、お笑いやアイドル、格闘技など、さまざまなジャンルの動画コンテンツを24時間365日、無料で楽しむことができました。また、「ひかり荘」では生配信番組を行い、有名なお笑い芸人やタレント、アイドルがゲストとして参加し、視聴者とのインタラクションを楽しむ場として機能していました。このプラットフォームでは、ライブ動画を見ながら電子掲示板（BBS）でのリアルタイムなコミュニケーションが可能でした。ただし、電子掲示板に書き込むには、casTYコミュユーザー登録が必要でした。

さらに、ユーザーには「マイホームページ」機能が提供されており、ブログ形式でコンテンツを自分のページとして提供することができました。また、個人で映像を配信できる「ひかライブ」機能もあり、これにより多くの利用者が自身のコンテンツを発信する機会を得ていました。

サービスの移行と終了

2007年1月1日、東京電力のTEPCOひかり事業がKDDIに統合された際、サービス名称も「ひかりone」に変更されました。その結果、2007年3月29日には高画質サービスが終了し、通常のビットレートでの動画配信のみとなりました。しかし、全てのユーザーに対して100MBのストレージ容量が提供されるようになり、ユーザーにとっては一部の利点もありました。

2008年1月15日には、全サービス終了の告知があり、同年2月29日に最終的にサービスが停止されました。casTYブログで開設されていた著名人のブログは、その後、吉本興業が運営する「ラフブロ」にて引き続き提供されることとなりました。

代表的なコンテンツ

casTYでは、さまざまな番組やサービスが展開されており、主要なコンテンツには「ひかり荘」や「ひかライブ」などがあります。また、「風見しんごのひかりバラエティ」や「casTYビデオ」もユーザーに人気がありました。その他にも「casTYブログ」や「casTYマップβ」、「casTYウーマン」など多彩なサービスが提供されていました。

結論

casTYは、エンターテインメント業界において革新的な動画配信サービスを展開した一例といえますが、時代の変遷と利用者の多様なニーズの変化に合わせて、2008年にその幕を閉じました。

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