Cerevo

Cerevo（セレボ）は、日本のネット家電ベンチャー企業として、他に類を見ないユニークな製品開発で知られています。その特徴は、3DプリンターやCNC工作機械などの技術を駆使し、試作品を低コストで製作することで、迅速な製品開発サイクルを実現している点にあります。

創業と理念

創業者の岩佐琢磨は、パナソニックの家電エンジニアとして活躍していましたが、既存の枠にとらわれず、新しい領域に挑戦したいという強い思いから、Cerevoを設立しました。大手企業ではリスクを考慮しがちな「ゼロから1を生み出す」モノづくりに挑戦するために、ベンチャー企業という形態を選びました。Cerevoは、「ナンバーワンかつオンリーワンの製品」を目指し、ニッチな市場に特化した製品を開発しています。

製品開発の特徴

Cerevoの製品は、そのニッチさから大手企業の追随が少ないため、平均製品ライフサイクルが3年と、家電業界では異例の長さです。また、ニッチな需要に対応するため、海外の販売代理店からの取引依頼も多く、時には特定の国や地域で独占販売権を付与することもあります。これにより、広告費や営業コストを抑えつつ、世界50か国以上での商品展開を実現しています。

事業内容

Cerevoは、IoT技術を中心とした家電製品の開発・販売だけでなく、3Dプリンターを活用した自転車などの企画・開発も行っています。2017年3月時点で、販売地域は60か国以上に拡大しています。また、ハードウェアのアジャイル生産を手がける子会社Shiftallを設立し、より柔軟な製品開発体制を構築しています。その後、Shiftallはパナソニックに売却されましたが、Cerevoは新たな経営体制の下、さらなる成長を目指しています。

経営体制

創業者の岩佐琢磨は、Shiftallの代表取締役CEOとしてパナソニックに戻り、その後、青木和律、大沼慶祐が代表取締役CEOに就任しました。2020年には同業の株式会社UPQと合併し、2021年にはMBOを経て、2022年にはヒビノ株式会社の連結子会社となりました。これらの変化は、Cerevoが技術力と販売ネットワークを強化し、更なる事業拡大を目指すための戦略的な動きと言えるでしょう。

主な事業

Cerevoの主な事業内容は以下の通りです。

自社ブランドでの通信機能を持つハードウェア製品（コネクテッド・ハードウェア）の企画・開発・製造及び販売
コネクテッド・ハードウェア（IoT）を中心とした様々なハードウェアに対応するアプリケーションソフトウェア、クラウドサービス・システム、webサービスの共同開発及び受託開発
ハードウェア並びにソフトウェア開発、ユーザーサポート、物流、展示会対応などの企画・コンサルティングによるハードウェア・スタートアップ企業の支援

これらの事業を通じて、Cerevoは多様なニーズに対応し、技術革新を促進しています。

特筆すべき製品

Cerevoの製品の中でも特に注目すべきは、以下の製品です。

1/1 DOMINATOR
人気アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』に登場する特殊銃「ドミネーター」を、設定資料に基づいて忠実に再現したスマート・トイです。電動による自動変形機構や、スマートフォンアプリとの連携による犯罪係数測定機能など、高度な技術が投入されています。
* 1/8 タチコマ
アニメ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX|攻殻機動隊_STAND_ALONE_COMPLEX』に登場する多脚戦車「タチコマ」を再現した製品です。並列化機能により、他のユーザーのタチコマと知識を共有できます。製品化にあたっては、背中のポッドの重量バランス調整が課題となりました。

その他の製品

Cerevoは他にも、3Dプリンターを利用した自転車、話しかけると変形するデスクライト、プロジェクター搭載の変形ホームロボット、ワイルドミニ四駆をスマホから遠隔操縦可能にする改造キットなど、ユニークな製品を多数開発しています。

メディア出演

Cerevoは、テレビ番組「カンブリア宮殿」にも出演し、その革新的な取り組みが紹介されました。

Cerevoは、常に新しい技術に挑戦し、独自のアイデアを形にする企業として、これからも様々な分野で革新的な製品を開発していくことが期待されます。

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