モトヤ

株式会社モトヤ

株式会社モトヤ（MOTOYA CO., LTD.）は、大阪府大阪市中央区に本社を構える、印刷関連機材の専門商社です。1922年に活字の製造・販売業として創業し、その社名は活字が「印刷のもと」であることに由来します。同社は、印刷業界において独自の地位を築き、現在では印刷機械や印刷材料の販売に加え、DTPオペレーターやデザイナーの人材派遣も行っています。

概要

モトヤは、活字製造からスタートし、オリジナルの組版機（タイプレス・MT-5000など）を開発するなど、印刷業界に貢献してきました。特に、デジタルフォントは、ゲーム、検索エンジン、インターネット地図サービス（マピオン）、新聞社（日本経済新聞社、産業経済新聞社など）をはじめ、携帯電話や各種組み込み機器など、幅広い分野で採用されています。

創業地は兵庫県姫路市ですが、現在は東京・大阪の二本社制を採用しています。東京本社は首都圏の販売事業を、大阪本社は経営全般、西日本の販売事業、書体開発、技術関連業務をそれぞれ担当しています。

沿革

1922年：古門慶次郎が姫路でモトヤ商店を創業
1949年：株式会社に改組し、本社を大阪市に移転。ベントン母型彫刻機を導入し活字の基本書体を開発
1969年：「モトヤフォント」を開発。日本で初めて文字のデジタル化に成功
1982年：電子編集組版システムWP-6000を松下電器産業と共同開発
1998年：Windows DTP「PROXELWIN」を発売
2001年：「モトヤDTPスクール」を開校
2002年：東京・大阪圏でDTPオペレーターに特化した人材派遣事業を開始
2006年：首都圏事業強化のため、東京本社を中央区八丁堀に移転
2009年：ユニバーサルデザインに対応した「UD対応フォント」を発表
2016年：年間定額制フォントサービス「モトヤLETS」を開始

製品：フォント

モトヤは、1949年に独自開発の「モトヤ書体」を発表して以来、「可読性」と「文字の美しさ」を基本に、時代に合わせた組版手段に対応した書体を開発してきました。TrueType、PostScript、OpenTypeフォーマットで製品化されたモトヤの書体は、様々な用途で利用されています。

主要書体/フォント製品

明朝体：モトヤ明朝
ゴシック体：モトヤゴシック、モトヤシーダ
丸ゴシック体：モトヤマルベリ
伝統書体：モトヤ正楷書、モトヤ新楷書、モトヤ隷書、モトヤ行書、モトヤ教科書、モトヤ大楷、モトヤ古印体、モトヤ刀筆
新聞書体：モトヤ新聞明朝、モトヤ新聞ゴシック
デザイン書体：モトヤアポロ、モトヤステンシルアポロ、モトヤ丸アポロ、モトヤバーチ、モトヤゴチカ、モトヤアラタ、モトヤノート、モトヤアネモネ
仮名：Mkアラタ、Mkリューナ明/角/丸、Mkビーナ明/角/丸、Mkレトナ明、Mkアポロ、Mkアンチック

その他、2010年にはUD対応フォントがリリースされ、一部書体においてUD対応版が提供されています。また、AndroidオープンソースプロジェクトやChrome OSにもフォントを提供しており、オープンソースフォントとしても利用されています。

2010年：明朝・シーダ・マルベリ・アポロ・新聞書体の一部ウエイトでUD対応フォントをリリース
2010年9月21日：Open Handset Alliance (OHA) に参加。モトヤLシーダ3、モトヤLマルベリ3をApache License 2.0に基づき提供
2012年5月31日：Chrome OSにモトヤG04明朝2B／5・モトヤG04ゴシック2B／5の4書体が採用
2018年9月：Google Fontsにて日本語ウェブフォントの提供開始に伴い、Androidオープンソースプロジェクトに提供したフォントが、小杉ゴシック・小杉丸ゴシックとして公開

外部リンク

モトヤ
* モトヤフォント

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