Common Public License

Common Public License（CPL）は、IBMによって提唱されたオープンソースライセンスの一つです。このライセンスは、Open Source Initiative（OSI）によって、正式なオープンソースライセンスとして認定されています。

CPLは、元々IBMが使用していたIBM Public License（IPL）を、より広範な利用を可能にするために改訂したものです。特に、Eclipseプロジェクトが過去にこのライセンスを採用していたことで知られています。現在Eclipseでは、同じくOSIに認定されたEclipse Public License（EPL）が使用されています。

CPLは、GNU Lesser General Public License（LGPL）と類似した形式をとっています。具体的には、オリジナルコードに修正を加えた場合、その修正部分のコードを公開する義務が生じます。しかし、修正を加えたコードを非オープンソースの製品に組み込んで商用利用することは認められています。

このライセンスの主な目的は、オープンソースソフトウェアの商用化を促進し、それによってオープンソースの提供者が不利益を被らないように保護することにあります。つまり、オープンソースソフトウェアを商業的なプロジェクトに利用する際に、その開発者やコミュニティが不当な扱いを受けないようにするための枠組みを提供していると言えます。

CPLの主な特徴

修正部分の公開義務: オリジナルのコードを修正した場合、修正部分のコードは公開する必要があります。これは、オープンソースのコミュニティが修正内容を共有し、さらに発展させることを促進するためです。
商用利用の許可: 修正を加えたコードを、非オープンソースの製品に組み込んで商用利用することが可能です。これにより、企業はオープンソースの技術を自社の製品やサービスに組み込むことが容易になり、ビジネスの拡大に繋げることが出来ます。
オープンソース提供者の保護: オープンソースの提供者が、自分のコードが商用利用される際に不利益を被らないように保護します。例えば、コードが特定の企業に独占されることを防ぎ、コミュニティ全体の利益を優先する考え方が根底にあります。
OSI認定: Open Source Initiative (OSI) によってオープンソースライセンスとして認定されています。これは、CPLがオープンソースの定義に合致し、コミュニティによって信頼されていることの証です。

CPLが使われた事例

CPLは、過去にEclipseプロジェクトで採用されていました。Eclipseは、統合開発環境（IDE）として広く利用されており、CPLの採用は、オープンソースソフトウェアの商用利用における重要な事例の一つです。

関連情報

オープンソース: ソフトウェアのソースコードが公開され、誰もが自由に利用、修正、配布できる形態。
Eclipse Public License (EPL): Eclipseプロジェクトで現在使用されているオープンソースライセンス。CPLの後継ともいえるライセンスです。

外部リンク

Common Public License Version 1.0
Common Public License (CPL) に関する FAQ - IBM

CPLは、オープンソースの商用化と提供者の保護を両立するための重要なライセンスであり、オープンソースエコシステムの中で重要な役割を果たしています。

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