Open Source Initiative

オープンソース・イニシアティブ（OSI）とは

オープンソース・イニシアティブ（Open Source Initiative, OSI）は、オープンソースの普及と発展を促進することを目的に設立された組織です。1998年2月にブルース・ペレンズとエリック・レイモンドによって設立され、「オープンソースの定義」の策定や「ライセンスレビュー」といった活動を通じて、オープンソース[[ソフトウェア]]の発展に貢献しています。

OSIは、フリーソフトウェア財団と並び、オープンソース[[ソフトウェア]]分野における基本的な権利擁護団体としての役割も担っています。また、「オープンソース・イニシアティブ」という言葉は、オープンソースプロジェクトの商業的な側面を強調する意味合いでも使用されることがあります。

OSIの理念

OSIは、オープンソースの利益を啓発し、オープンソースコミュニティの多様な関係者間の橋渡し役となることを目指しています。特に重要な活動の一つとして、「オープンソースの定義」を維持する標準化団体としての役割があります。この定義と、それに基づくライセンスレビューは、開発者、利用者、企業、政府がオープンソース[[ソフトウェア]]を安心して利用するための基盤となっています。

OSIの主な活動

オープンソースの定義

OSIは、「オープンソースの定義」に合致するソフトウェアをオープンソース[[ソフトウェア]]として認定しています。この定義は、単にソースコードへのアクセスが可能なだけでなく、利用者が商用・非商用に関わらず、ソースコードの利用、修正、頒布を自由に行えることを保証するものです。また、利用者の努力や利益を妨げることがないことも重要です。

この定義は、Debianフリー[[ソフトウェアガイドライン]]を基にしています。OSIは、「オープンソース」という言葉の誤用を防ぐため、商標登録を試みましたが、これは失敗しました。しかし、OSIの影響力は大きく、誤用を最小限に抑えることに貢献しています。

ライセンスレビュー

OSIは、ライセンスレビューを通じて、特定のライセンスがOSI公認の「オープンソースライセンス」であるかを承認しています。このレビューは、ライセンスがオープンソースの定義に準拠しているか、適切なライセンスカテゴリに属しているか、不必要なライセンスの増加を抑制することを目的としています。

ライセンスレビューでは、ライセンスがソフトウェアの自由な利用、修正、頒布を許可しているかを確認します。オープンソースライセンスは、ソフトウェアの無償利用を可能にすることが多いですが、必ずしもフリーウェアである必要はありません。非商用での再配布や個人利用の変更のみを許可するライセンスは、オープンソースライセンスとは見なされません。一方で、Apache Licenseのように著作権表示を求めるものや、GNU General Public Licenseのようにコピーレフトの要件を含むライセンスも存在します。

OSIは過去に多くのライセンスを承認しましたが、その結果、ライセンスの乱立という問題が発生しました。この問題に対処するため、「ライセンス氾濫問題プロジェクト」を立ち上げ、ライセンスのカテゴリー分けや複製ライセンスの抑制を進めています。

ライセンスレビューは、公開されたメーリングリストで実施され、通常60日以内を目安に結果が公表されます。ここでは、ライセンスがオープンソースの定義に沿っているか、新規ライセンスがライセンスの氾濫を引き起こさないかなどが議論されます。OSIの役員だけでなく、コミュニティメンバーも意見を述べることが可能です。

オープンソースライセンスの保守

OSIは、オープンソースライセンスとして主要なソフトウェアライセンスの一覧を公開しており、ソフトウェアがオープンソースを名乗る際には、これらの承認されたライセンスを使用することを推奨しています。また、ライセンスの乱立を防ぐため、既存のライセンスの利用を推奨し、時代遅れの要件を持つライセンスや新しいバージョンがリリースされたライセンスを非推奨としています。

関連文化・運動

ハロウィーン文書

1998年から2000年頃、オープンソースという概念が広まる中、多くの企業が代替的なオープンソースオペレーティングシステムについて考え始めました。OSIは、マイクロソフトの内部文書であるハロウィーン文書を入手し公開しました。この文書では、マイクロソフトがLinuxをWindowsの競争相手と見なし、オープンソース[[ソフトウェア]]の脅威に対処する方法を模索していたことが明らかになりました。

自由ソフトウェア運動

リチャード・ストールマンは、フリーソフトウェア財団を代表して、オープンソースという用語が生まれた背景を批判しています。彼は、OSIの実利的な目標が、フリーソフトウェアとの区別を曖昧にし、ユーザーが自由の本質的な価値について考える機会を奪うと主張しています。

ストールマンは、自由ソフトウェアとOSIを、同じコミュニティ内の異なる陣営と捉えつつも、基本的な点では意見が異なるものの、具体的な勧告では一致する点も多く、協力して活動することも可能だと述べています。実際、「オープンソース」の支持者は、自由ソフトウェアの危機に際して支援を行ったり、共通の課題に共同で取り組んだりしています。そのため、この2つの運動は完全に分離できるものではありません。

まとめ

オープンソース・イニシアティブ（OSI）は、オープンソース[[ソフトウェア]]の普及と発展に不可欠な組織です。その活動は、オープンソースの定義の策定、ライセンスレビュー、ライセンスの保守など多岐にわたり、オープンソースコミュニティ全体を支えています。

関連項目

オープンソース
オープンソースの定義
オープンソース[[ソフトウェア]]

外部リンク

Official Website（英語）

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