Cross System Product

CSP（Cross System Product）とは

CSP（Cross System Product、システム共通プロダクト）は、IBMがかつて開発・販売していたプログラム言語であり、第四世代言語（簡易言語）に分類されます。特にCOBOLのソースコードジェネレーターを中心とした開発・実行環境として利用されました。

製品構成

CSPは、以下の2つの主要な製品で構成されています。

IBM Cross System Product/Application Development (CSP/AD)
日本語名：システム共通適用業務生成プロダクト／適用業務開発機能
ユーザーがアプリケーションの定義、テスト、生成を対話的に行うための簡易言語（超高水準言語）です。
IBM Cross System Product/Application Execution (CSP/AE)
日本語名：システム共通適用業務生成プロダクト／適用業務実行機能
CSP/ADで開発されたアプリケーションをオンラインまたはバッチで実行・管理する機能を提供します。

概要

CSPは、IBMの様々な環境でCOBOLコードを生成する開発・実行環境として、その能力を発揮しました。CSP/ADは、ユーザーが対話的にアプリケーションを開発できる簡易言語を提供し、CSP/AEは、開発されたアプリケーションの実行と管理を担いました。

CSPは、元々IBM 8100のオペレーティングシステムであるDPPX上で開発されました。その後1982年には、System/370上のCICS/OS/VS、MVS/TSO、VM/CMSといった環境にも対応しました。さらに、MVSのデータ格納方式であるVSAM、階層型データベースのIMS/DB（MVS用）、DL/I（DOS/VS用）もサポートするなど、幅広いシステム環境に対応しました。CSPの最大の特徴は、ある環境で作成したアプリケーションを、他の環境でも修正なしで動作させることができた点にあります。

1986年にはCSP V3がリリースされ、リレーショナルデータベースのサポートが追加されました。具体的には、以下の環境でのデータベースサポートが含まれます。

CICS/OS/VSおよびMVS/TSO環境でのDB2サポート
VSEおよびVM/SP環境でのSQL/DSサポート

また、MVS/XAでの31ビットアドレッシングのサポートも実現しました。CSPの最終バージョンはCSP V4ですが、その実行環境であるCSP/ADは2001年にサポートが終了しました。CSPは、1994年に発表された後継製品のVisualGen、そして1996年に名称変更されたVisualAge Generatorへとその役割を引き継ぎました。

特徴

クロスシステム対応: 異なるIBMシステム環境間でのアプリケーション互換性を実現しました。
高生産性: 簡易言語による開発で、開発効率を大幅に向上させました。
幅広いデータベースサポート: VSAM、IMS/DB、DL/I、DB2、SQL/DSなど、様々なデータベースに対応しました。

関連情報

第四世代言語: プログラミングの生産性向上を目指した高水準言語の一種です。
IBM 3790, IBM 8100: CSPが動作したIBMのシステムです。
MVS, z/VSE, z/VM: CSPがサポートしたオペレーティングシステムです。
VisualGen, VisualAge: CSPの後継製品です。

参考文献

The Cross System Product application generator: An evolution - IBM
* VisualAge Generatorの過去・現在・未来(PDF))

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