DM三井製糖ホールディングス

DM三井製糖ホールディングス株式会社：日本の製糖業界をリードする企業

DM三井製糖ホールディングス株式会社は、2021年4月1日、日本の製糖業界を代表する二大企業、三井製糖と大日本明治製糖の経営統合によって誕生した持株会社です。三井物産を筆頭株主とし、三井グループの一員として、日本の食卓を支える重要な役割を担っています。

統合の背景と経緯

この経営統合は、激化するグローバル競争の中で、両社の競争力を強化し、持続的な成長を実現するための戦略的決断でした。2020年3月には、三井製糖、大日本明治製糖、そして日本甜菜製糖の3社による協議が開始され、同年10月には最終契約が締結されました。統合後、大日本明治製糖は三井製糖の完全子会社となり、三井製糖は事業を分割準備会社に承継して持株会社に移行。その後、三井製糖はDM三井製糖ホールディングスに、分割準備会社は三井製糖（3代）にそれぞれ商号変更しました。統合持株会社は、旧三井製糖の証券コード（2109）を引き継いで上場を維持しています。

統合企業の歴史：三井製糖と大日本明治製糖

DM三井製糖ホールディングスを構成する両社は、それぞれ長年にわたる歴史と伝統を誇ります。

三井製糖

三井製糖は1947年、湘南糖化工業株式会社として設立され、その後、横浜精糖株式会社を経て、1970年に現在の社名となりました。合併や買収を繰り返しながら事業を拡大し、国内外の製糖事業を展開。多様な製品群と確固たるブランドイメージを築き上げてきました。

大日本明治製糖

大日本明治製糖は、1890年に鈴木藤三郎が設立した鈴木製糖所を起源とする大日本製糖と、1906年に設立された明治製糖が1996年に合併して誕生しました。日本の近代製糖業の黎明期から事業を展開し、「ばら印」ブランドで広く知られる存在でした。

両社は、それぞれ独自の技術やノウハウ、ブランド力、そして販売網を有しており、その統合によって相乗効果が期待されました。

事業内容とグループ展開

DM三井製糖グループは、「スプーン印」の商標で親しまれる砂糖事業を中核としながら、機能性食品、甘味料、香料などの食品添加物、調味料なども製造・販売しています。2023年3月期の売上構成は、砂糖事業が約85％を占め、ライフ・エナジー事業、不動産事業がそれぞれ約14％、約1％となっています。

大日本明治製糖は、家庭用・業務用の砂糖や調味料を製造販売していました。砂糖の製造は、グループ会社である新東日本製糖、関門製糖、関西製糖など、複数の精糖会社との協業によって行われています。また、「コクベース」や「ラクトベース」といった調味料も販売していました。

関係会社

DM三井製糖グループは、多くの関連会社を有しており、国内外に広がるネットワークを活かして事業を展開しています。連結子会社には、食品添加物の製造販売を行うタイショーテクノス、栄養療法食品を開発・製造販売するニュートリーなどがあります。

また、持分法適用関連会社には、精糖会社である新東日本製糖、関西製糖、そして海外の製糖会社なども含まれており、グループ全体の事業基盤の強さを支えています。

未来への展望

DM三井製糖ホールディングスは、今後、更なる事業拡大と国際競争力の強化を目指して、積極的に投資や事業開発を進めていくものと期待されています。日本の製糖業界の未来を担う企業として、その動向に注目が集まります。

旧明治製糖グループ

大日本明治製糖の前身である明治製糖は、明治製菓や明治（旧明治乳業）といった企業と深く関わりを持っていました。現在では、明治ホールディングスとして経営統合されていますが、かつては資本関係こそありませんでしたが、同根企業としての協力関係は深く、互いに連携した商品開発などが行われていました。また、日本甜菜製糖も明治製糖と深い関係があった企業の一つです。

もう一度検索