DOWN TOWN/やさしさに包まれたなら

坂本真綾シングル「DOWN TOWN/やさしさに包まれたなら」

坂本真綾の18枚目となるシングル「DOWN TOWN/やさしさに包まれたなら」は、2010年10月20日にFlyingDogからリリースされました。この作品は、前作「マジックナンバー」から約11か月のインターバルを経て発表されたもので、坂本のデビュー15周年を記念した企画の一環として制作されています。そして、驚くべきことに、これは彼女にとって初の本格的なカバーシングルでもあります。

このシングルは、全収録曲がカバー曲で構成されており、1曲目にはシュガー・ベイブの名曲「DOWN TOWN」が、2曲目には荒井由実の「やさしさに包まれたなら」、3曲目にはザ・フォーク・クルセダーズの「悲しくてやりきれない」が含まれています。それぞれの楽曲には独自の編曲が施され、レコーディングに参加した演奏者たちによる新たな魅力が加わっています。

「DOWN TOWN」は、テレビアニメ『それでも町は廻っている』のオープニングテーマとして採用されており、また「やさしさに包まれたなら」はOVA『たまゆら』のオープニングテーマにもなっています。興味深いことに、「DOWN TOWN」は以前にEPOによってカバーされ、フジテレビ系の番組『オレたちひょうきん族』で流されたことでも知られています。同様に、荒井由実の「やさしさに包まれたなら」は、アニメ映画『魔女の宅急便』のエンディングテーマとしても利用されています。さらに、後に「悲しくてやりきれない」は、コトリンゴのカバーがアニメ映画『この世界の片隅に』のテーマ曲として使用されることになります。

シングルの初回限定盤には「DOWN TOWN」のミュージックビデオを収録したDVDが付属し、坂本真綾の全国ツアー『坂本真綾 LIVE TOUR 2011 'You can't catch me'』の先行予約抽選応募のフライヤーも同封されています。これにより、ファンが一層楽しめる内容が詰め込まれた特別なリリースとなっています。

シングルはオリコン週間シングルチャートで5位を獲得し、初週における売上は約1.6万枚に達しました。これは前作より約0.3万枚増加した数値で、坂本真綾自身のシングル作品としては5作目のトップ10入りを果たした結果となります。最終的な出荷枚数は2.5万枚に達し、声優としての個人名義作品としても注目された一曲となりました。

収録曲の詳細は以下の通りです：

• - DOWN TOWN (3:58)
• - やさしさに包まれたなら (3:55)
• - 悲しくてやりきれない (4:11)
• - 各曲のインストゥルメンタルバージョンも収録されています。

このシングルの制作において、特に注目すべき逸話があります。作曲者である山下達郎は、自身のラジオ番組『山下達郎のサンデー・ソングブック』で、坂本版の「DOWN TOWN」を紹介した際、彼女のカバーを「素晴らしい」と絶賛しました。このように、坂本真綾のカバーアルバムはただの再演にとどまらず、オリジナルの持つエッセンスを見事に引き出し、リスナーに新しい感動を与え続けているのです。

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