DP28軽機関銃

DP28軽機関銃：ソ連初の国産軽機関銃

DP28軽機関銃は、ソビエト連邦が1920年代に開発した軽機関銃であり、ソ連初の国産火器の一つとして知られています。1928年から配備が開始され、スペイン内戦や第二次世界大戦などで広く使用されました。DPとは「デグチャレフ型歩兵用火器」を意味し、設計者のヴァシリ・A・デグチャレフの名前が冠されています。

開発の背景

ロシア内戦終結後、ソ連は歩兵支援用の国産軽機関銃の必要性を認識しました。第一次世界大戦での軽機関銃の有用性が示されたものの、赤軍が保有していた旧式化した外国製軽機関銃は不足しており、国産化が急務となりました。

開発

コヴロフ造兵廠でデグチャレフ技師を中心に開発が進められ、1927年にDP27として完成しました。耐久性と生産性が重視された設計で、部品数が少なく、メンテナンスが容易でした。採用に先立ち、1928年末にはMT機関銃の生産が終了したため、DP軽機関銃は制式採用の宣言を待たずに配備が進められることとなりました。

構造

DP28は、オープンボルト式のガス圧作動方式を採用し、シンプルな構造で高い信頼性を実現しました。外見上の特徴は、上部に装着された47発入りの円盤型弾倉です。この弾倉は、7.62x54mmR弾のリムが突出しているため、このような形状になりました。作動機構は、銃身の下にあるロングストロークガスピストンを利用し、ボルトの側面両側にフラップと呼ばれるの2つのロッキングブロックが取り付けられています。発射の際には、ボルトキャリア後端から上方に向けて取り付けられた突起が撃針を前方に押し出すことにより、ボルトを前進させます。更に撃針が前進すると撃針後部の厚くなった部分が、ボルト側面両側の2つのフラップの後部を外側に開きレシーバー壁面の窪みにはめ込み、ボルトを固定させ薬室を封鎖します。フラップが両側に開くことにより撃針後部の厚くなった部分がボルト内部で更に前進可能となり撃針が雷管を叩き弾丸が発射されます。

運用と戦歴

DP28は、スペイン内戦で初陣を飾り、独ソ戦（大祖国戦争）で主力火器として活躍しました。各狙撃兵師団に配備され、その高い信頼性と持続的な火力で歩兵を支援しました。近年では、2022年のロシアによるウクライナ侵攻でも使用されていることが確認されています。

欠点

DP28には、円盤型弾倉の携行性の悪さ、二脚の強度不足、リコイルスプリングの過熱による作動不良などの欠点がありました。そのため、バースト射撃を推奨するなどの運用上の工夫が必要でした。

派生型

DP28には、航空機搭載用のDA、車載型のDT、改良型のDPMなど、様々な派生型が存在します。DPMでは、リコイルスプリングの位置を変更し、ピストルグリップを備えた銃床を新たに設計することで、操作性と信頼性を向上させています。

まとめ

DP28軽機関銃は、ソ連初の国産軽機関銃として、その後のソ連の軽火器開発に大きな影響を与えました。数々の戦場で活躍し、そのシンプルさと信頼性で兵士たちに愛用されました。DP28は、ソ連の軍事史における重要な位置を占める銃器と言えるでしょう。

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