DSオートモビルズ・DS3クロスバック

DS3（旧DS3クロスバック）について

DS3は、フランスの自動車メーカーDSオートモビルズによって製造される小型BセグメントのクロスオーバーSUVです。2018年10月にパリモーターショーで初めてお披露目され、2023年5月に車名を変更し、これまでの「クロスバック」を外しました。

外装と内装のデザイン

DS3のボディサイズは、全長4,118mm、全幅1,791mm、全高1,534mm、ホイールベースは2,558mmという欧州向けの仕様となっています。プラットフォームには、将来的に2代目プジョー208にも採用された「EMP1」が使用されており、その構造は安定感があります。

エクステリアは印象的で、DS7クロスバックと共通のデザインを採用したフロントマスクが特徴です。さらに、側面には彫刻的な造形が施されており、抑揚のあるサイドパネルやフェンダーラインが存在感を高めています。また、ヘッドライトには最新技術の「DSマトリクスLEDビジョン」が採用され、運転条件に応じて明るさが変化します。

内装においては、インストゥルメントパネルに5つのひし形が組み合わされたデザインが特徴的で、センターコンソールのスイッチには独特なギョシェ彫りが施されています。これにより、DSならではの個性的な雰囲気が醸し出されています。

パワートレイン

DS3の欧州市場向けには、ガソリンとディーゼルのエンジンバリエーションが用意されています。ガソリンエンジンは「PureTech」と名付けられ、最高出力は100ps、130ps、155psの3種類をラインナップ。ディーゼルは「BlueHDi」として提供され、最高出力は100psと130psの2タイプがあります。トランスミッションは、8速AT「EAT8」と6速MTの選択肢があります。

特筆すべき点は、先進運転支援システム（ADAS）が搭載されている点です。「DSコネクテッドパイロット」は、0-180km/hの範囲で作動し、前方車両との車間距離を保ちながらレーン内での位置を確保します。

電動モデル

DS3の電動版、DS3クロスバックE-TENSEは、136PSの出力を持つモーターを搭載し、最大トルクは260N·mです。このモデルは50kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、0-100km/h加速は8.7秒で行うことが可能です。一度の充電での航続距離はWLTPモードで320kmに達します。

このEV版には、航続距離を最大化する「エコ」と「ノーマル」、パワーを重視する「スポーツ」の3つのドライブモードがあり、それぞれのシーンに応じた運転体験を提供します。また、エネルギー回生システムには「ノーマル」と「ブレーキ」の2種類があります。

日本市場への導入

DS3の日本市場への導入は2019年に行われ、初回には「ラ・プルミエール」の特別記念車として60台が限定販売されました。続いて、2019年6月26日には「Be Chic」「So Chic」「Gran Chic」の3種類が販売開始され、1.2L直列3気筒のガソリンエンジンを搭載したモデルが用意されました。最上級グレード「Gran Chic」は、オフホワイトの内装仕様や「OPERAインスピレーション」なども選択可能で、2020年には電動版の売り出しも行われました。

2023年にはマイナーチェンジが行われ、車名がDS3に改められました。この変更により、以前のE-TENSEが廃止され、1.5LのBlueHDiディーゼルターボのみのラインアップとなりました。2023年10月31日には再び「パフォーマンスライン」という特別仕様が発売され、これまでの人気グレードが復活を遂げました。

DS3は、その独特なデザインと先進的な技術を兼ね備えたモデルであり、今後の展開に期待が寄せられています。

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