DeathForest〜森からの脱出〜

DeathForest～森からの脱出～



『DeathForest～森からの脱出～』は、ゲームクリエイターKazz氏によって開発され、2014年に世に送り出された一人称視点のホラーゲームです。タイトル画面には『恐怖の森』と表示されることが多く、一般的にはこの通称で広く認知されています。その独自の恐怖演出と脱出を目的としたゲームシステムが話題を呼び、リリース以降、複数の続編が制作される人気シリーズとなりました。

ゲームシステム



本作の基本的な目的は、プレイヤーが操作する主人公が迷い込んだ不気味な森から無事脱出することです。脱出の手段はバイクですが、森に立ち往生した際に故障してしまっており、修理には特定の部品（オイル、ガソリン、スパークプラグ、タイヤ）が不可欠です。プレイヤーは森の様々な場所に散らばるこれらの部品を探し集め、バイクを修理する必要があります。

しかし、森には人間だった頃の姿を失った恐ろしい霊たちが徘徊しており、主人公を見つけると執拗に追いかけてきます。プレイヤーは彼らから逃れ、時には身を隠しながら探索を進めなければなりません。霊に捕まるとゲームオーバーとなってしまうため、常に周囲への警戒が必要です。

探索の重要なツールとなるのが懐中電灯です。暗い森を進む上で欠かせませんが、使用するごとに電池残量が減少し、完全に消耗してしまうと視界が閉ざされ、行動不能に陥りゲームオーバーとなります。森の中に配置された予備の電池を拾うことで残量を回復させることができます。このように、懐中電電灯の電池管理もゲームを進める上での重要な要素となっています。

後のシリーズ作品である『増殖』や『森淵』では、基本的な脱出目標に加え、ゲームクリアによって追加要素が解放される「おまけファイル」が配置されています。これらは登場人物に関する詳細な情報を含んでおり、ゲームクリア時に所持していると、より深く作品の世界観を知ることができます。

シリーズ展開



ゲーム作品のヒットを受け、『DeathForest』はシリーズ化されました。現在までに以下の作品が発表されています。

  • - DeathForest～森からの脱出～ (2014年)
  • - DeathForest ～森からの脱出～【増殖】 (2015年)
  • - 写るんです (2022年)
  • - 恐怖の森 森淵 (2024年)

また、本作を原作とした実写映画も制作されています。2014年に第1作『デスフォレスト 恐怖の森』が公開されて以降、こちらもシリーズ化され、第5作までが制作されています。

登場人物（霊）



森に現れる異形の存在たちは、主人公である内田一輝を除き、かつてこの森で凄惨な最期を遂げた者たちの成れの果てとされています。彼らは生前の面影をほとんど失い、歪んだ姿で主人公に襲いかかります。

  • - 内田一輝（うちだ かずき）: 22歳のゲーム主人公。森でバイクが故障し、思わぬ事態に巻き込まれることとなります。映画シリーズにも全作を通して登場します。
  • - 木村芳恵（きむら よしえ） 通称「ヨシエ」: ゲーム開始から比較的早い段階で姿を現す最初の怨霊。接近すると不気味なBGMが流れ、接触するとゲームオーバーとなります。生前は大学生で、森の探検中に惨劇に巻き込まれ20歳で命を落としました。なお、ヨシエの顔は制作者であるKazz氏本人の顔を加工して作られています。
  • - 大宮健二（おおみや けんじ） 通称「ストーカー」: 特定の場所（崖を上った先の迷路など）で、ガソリン取得をきっかけに出現する怨霊です。一定時間プレイヤーを追跡しますが、時間経過で姿を消します。生前は土木作業員で、車で森を通過中に襲撃され23歳で消息不明となりました。
  • - 須藤レン（すどう れん） 通称「ストレンジャー」: トンネルの奥にある倉庫内に潜んでいます。他の霊に比べて移動速度が遅いのが特徴です。生前は美術部所属の高校生で、森で逃走中にヨシエ以外の何者かに襲われ、18歳で悪霊化しました。
  • - 竜ヶ崎進（りゅうがさき すすむ） 通称「UMA」: 『増殖』で追加された敵キャラクター。コンクリートの迷路の奥でタイヤを取得すると出現します。首や手足が異常に長く、非常に速い速度で追ってきます。生前は森周辺の坑道作業員でしたが、事故後に殺害され、20歳でこの世を去りました。
  • - 吉田知佳（よしだ ちか）: 階段を上った先の民家に存在する地縛霊。ロッカーの中に隠れており、一度近づいて離れると姿を見せ、一礼して電池を一つ提供してくれます。他の霊たちと異なり、触れてもゲームオーバーにはならない、数少ない友好的な存在です。生前は須藤と同じ高校の美術部員でしたが、森で背中を刺され、隠れた小屋のロッカー内で17歳で出血多量により死亡しました。
  • - 山本大吾（やまもと だいご） 通称「ハイドハンド」: 『森淵』で追加された敵。巨大な左腕だけの姿をした怨霊です。坑道の特定の天井から出現し、捕まれると即座にゲームオーバーとなります。
  • - デイビッド・テイラー 通称「ハウンド」: 『森淵』で追加された敵。坑道を脱出した後に現れる異形の四足歩行クリーチャーです。首の皮がめくれ上がり脊椎が剥き出しになった特徴的な外見を持ち、高い移動能力でプレイヤーを追います。
  • - 名称不明1: オイルが置かれている倉庫に潜む悪霊。倉庫に近づくと突如飛び出してきます。この霊に関する「おまけファイル」は存在せず、生前の詳細などは不明です。
  • - 名称不明2: 『森淵』で追加された敵。坑道内部に潜伏する、全身真っ黒な人型の怨霊で、刃物のようなものを持っています。

これらの異形の存在から逃れ、無事森を脱出できるかがプレイヤーに課された試練となります。

もう一度検索

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。