Diff3

diff3は、3つのテキストファイルを比較し、行単位での差異を検出するためのコマンドラインツールです。このツールは、特に複数の人が同じファイルを同時に編集した場合に発生する編集の競合を解決するのに役立ちます。Unix系のオペレーティングシステム（OS）に標準で搭載されていることが多いですが、必要に応じて個別にインストールすることで、Windowsなどの他の環境でも利用可能です。

編集競合とその解決

複数の人が同じファイルを同時に編集した場合、最後に保存した変更によってそれ以前の編集が上書きされてしまう可能性があります。このような問題を回避するために、ファイルを保存する際には、編集開始時のファイルの状態と現在の状態を比較し、変更がないかを確認する必要があります。もし、ファイルが編集中に変更されていた場合、diff3のようなツールを使って、それぞれの変更を統合する必要があります。

diff3は、編集の競合が発生した際に、それぞれの編集内容を比較し、変更箇所を特定してくれます。これにより、競合する変更を一つにまとめることができ、手動での複雑なマージ作業を軽減できます。diff3は通常、内部でdiffコマンドを実行して差異を検出しますが、この動作は環境設定によって変更することが可能です。

diff3の利用方法

diff3コマンドは、3つのファイル名を引数として受け取ります。例えば、以下のように使用します。

bash
diff3 -e -m MYFILE OLDFILE YOURFILE


この例では、`OLDFILE`と`YOURFILE`の間のすべての変更が`MYFILE`に統合されます。`-e`オプションは、edエディタ用のスクリプトを生成し、`-m`オプションは、競合する変更箇所をマージするためのマークをファイルに追加します。

また、ファイル名の代わりに `-` (ハイフンマイナス) を指定すると、標準入力からデータを読み込ませることもできます。これにより、他のプログラムの出力を直接diff3の入力として利用することが可能になります。

diff3の関連技術と応用

diff3は、バージョン管理システムや共同編集ツールにおいて、編集の競合を解決するために広く利用されています。例えば、MediaWikiでは、diff3を用いて編集競合を自動的に統合する機能が実装されています。

以下はdiff3に関連する技術やツールです。

diff: diffは、2つのファイルを比較し、その差異を表示するコマンドラインツールで、diff3の基礎となるツールです。
Concurrent Versions System (CVS)、Apache Subversion (SVN)、Git: これらのバージョン管理システムでは、ファイルの変更履歴を追跡し、複数の開発者が同時に作業できるようにするために、内部でdiffアルゴリズムを利用しています。
マージ (バージョン管理): バージョン管理におけるマージとは、複数のブランチ（ファイルの変更履歴の分岐）を統合する操作であり、diff3や類似のツールが用いられます。

外部リンク

Manpage of DIFF3（日本語）
* DiffUtils for Windows（英語）

diff3は、テキストファイルの編集やバージョン管理において、変更点を効率的に把握し、競合を解決するための強力なツールです。その柔軟性と使いやすさから、多くの開発現場で重宝されています。

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