Do 214 (航空機)

ドルニエ Do 214

ドルニエ Do 214は、ナチス・ドイツの航空機メーカーであるドルニエによって、第二次世界大戦期間中に開発された大型の長距離飛行艇です。この航空機は元々、リスボンからニューヨークへ向けての大西洋横断旅客機として設計されました。しかし、当初の旅客機としての計画は、戦争の進行と共に軍用機としての方向へ変更され、最終的には1943年に開発が中止されました。

設計の背景

最初の設計名はDo P93でありましたが、1940年代の初頭にDo 214は軍用機P192として再設計されました。1941年には、機内レイアウトの確認を目的に、実サイズの胴体部分のモックアップが作成されたのです。このモックアップは、流線型の円形断面を持ち、内部デッキは二階建て構造として展開されていました。

この飛行艇は、特異なデザインの翼を持っており、前縁は緩やかな後退翼、後縁は直線翼の高翼配置となっています。エンジンにはダイムラー・ベンツ社のDB 613液冷24気筒エンジンが8基搭載され、それぞれが異なる配置で取り付けられていました。4基は推進式に配置されており、全てのエンジンはVDM社製の4枚ブレードの可変ピッチプロペラで駆動されます。

特徴と利用目的

特に目を引くのは、機首に設けられた大きなドアであり、これにより上部デッキへ車両や大きな荷物を積載することが可能でした。このようなデザインと機能性から、Do 214は軍事用途を意識したものでした。更には、長距離爆撃機や空中給油機、さらには機雷敷設機やUボートに対する補給艇としての利用も視野に入れられていました。

しかし、1943年になると、戦争の状況が厳しさを増し、長距離飛行艇の必要性が薄れ始めました。そのため、Do 214の開発プロジェクトは、必要がなくなり技術的進歩も著しいこの時期に、やむを得ずキャンセルされることになりました。

要目

• - 乗員: 12 - 15名
• - 全長: 51.60 m (169 ft 3+1⁄2 in)
• - 全幅: 60.00 m (196 ft 10+1⁄4 in)
• - 全高: 14.30 m (46 ft 11 in)
• - 翼面積: 500.00 m² (5,381 ft²)
• - 空虚重量: 76,000 kg (167,551 lb)
• - 全備重量: 145,000 kg (319,670 lb)
• - エンジン: 8 x ダイムラー・ベンツ DB 613 液冷24気筒エンジン (各々 3,800 hp)
• - 最大速度: 490 km/h (304 mph)
• - 巡航速度: 425 km/h (264 mph)
• - 巡航高度: 7,700 m (22,965 ft)
• - 航続距離: 6,200 km (3,852 miles)

このように、ドルニエ Do 214はその独特な設計と軍事的潜在力により、戦争の技術史に名を刻むことになったのです。

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