Document Style Semantics and Specification Language

DSSSL（ドキュメントスタイルセマンティクスアンドスペシフィケーションランゲージ）とは

DSSSL（通称ディッセル）は、SGMLやXMLで記述された文書に対して、スタイルを適用するためのスタイルシート言語です。ISO/IEC 10179:1996として規格化されており、日本工業規格ではJIS X 4153に対応します。

DSSSLの特徴

表現言語: プログラミング言語Schemeの部分集合をベースとしており、副作用のない関数的な機能に限定されています。
多様な形式への変換: SGML/XML文書を、TeX、PDF、HTML、RTFなど、人間が読みやすい様々な形式に変換できます。これにより、コンピュータ向けの構造化された文書を、印刷や画面表示に適した形に加工できます。
DocBookとの連携: DocBookで記述された文書の組版によく利用されます。
XMLへの対応: 当初はSGML文書向けに開発されましたが、XML文書にも適用可能です。

DSSSL処理系の機能

DSSSL処理系は、主に以下の2つの機能を提供します。

1. 文書構造の変換: SGML/XML文書を、構造の異なる別のSGML/XML文書に変換します。
2. 組版: SGML/XML文書を人間が読みやすいように組版し、画面表示や印刷を可能にします。

これにより、例えば、SGML/XML文書をDSSSL処理系を用いて、TeX、PDF、HTML、RTFなどの形式に変換できます。また、組版機能を使わずに、文書構造のみを変換することも可能です。

DSSSLの現状と代替技術

現在では、DSSSLの代わりにXSL（XSLT、XSL-FO）やCSSが広く利用されています。XSLは、DSSSLの技術を基に開発されました。

DSSSL処理系の実装

DSSSL処理系には、商用版とフリー版が存在します。フリーの処理系としては、ジェームズ・クラーク氏が開発したJade、およびその派生であるOpenJadeが知られています。

まとめ

DSSSLは、SGML/XML文書のスタイルシート言語として、文書の変換や組版に利用されてきました。現在ではXSLやCSSに移行が進んでいますが、その技術は後のスタイルシート言語に影響を与えています。

外部リンク: DSSSL 規格の最終版
外部リンク: ジェームズ・クラークの DSSSL のウェブページ
外部リンク: Jade : フリーの DSSSL処理系
外部リンク: OpenJade : フリーの DSSSL処理系

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