E・J・マニュエル

エリック・マニュエル：NFLの舞台を駆け抜けたクォーターバック

エリック・ロドリゲス・マニュエル・ジュニア（Erik Rodriguez Manuel Jr. , 1990年3月19日 - ）は、アメリカ合衆国バージニア州バージニアビーチ出身の元プロアメリカンフットボール選手です。ポジションはクォーターバック（QB）を務め、NFLのバッファロー・ビルズやオークランド・レイダースなどで活躍しました。2013年のNFLドラフトでは1巡目（全体16位）で指名された逸材です。

プロ入り前

バージニアビーチで育ったマニュエルは、地元の高校でその才能を開花させました。高校4年生時には、オールアメリカンQBに選出されるほどの高い評価を得ました。

フロリダ州立大学に進学後、1年次にはクリスチャン・ポンダーの負傷により3試合に出場し、2勝1敗の成績を残しました。2年次もポンダーの代役として2試合に出場し、クレムゾン大学戦ではランで71ヤードと1TDを記録するなど、その運動能力の高さを示しました。

3年次の2011年からは先発QBに定着し、パス2,666ヤード、18TD、8INTという成績を収めました。また、ランでも4TDを記録するなど、オフェンスを牽引しました。ノートルダム大学とのチャンプススポーツボウルでは、パス249ヤード、2TDの活躍でチームを逆転勝利に導きました。

4年次となった2012年には、チームを12勝2敗の好成績に導きました。パス年間3,392ヤードは、チーム歴代2位の記録となりました。その活躍が認められ、2013年のNFLドラフトにエントリーすることになりました。アナリストのバッキー・ブルックスは、マニュエルをドラフト候補の中でもTOP5に入ると評価していました。

NFLでのキャリア

バッファロー・ビルズ

2013年ドラフト1巡目（全体16位）でバッファロー・ビルズに指名され、プロのキャリアをスタートさせました。この年のドラフトで1巡目指名を受けた唯一のQBとなりました。6月14日には、ビルズと4年契約を結びました。トレーニングキャンプでは、ケビン・コルブと先発の座を争い、プレシーズン第2週ではパス12回中10回成功、92ヤード、1TDという好成績を残し、先発争いで有利な立場に立ちました。しかし、翌週に膝を手術し、残りのプレシーズンを欠場することになりました。

9月4日には開幕先発に指名され、第2週のカロライナ・パンサーズ戦ではパス39回中27回成功、296ヤード、1TD、1INTをマークし、週間最優秀新人に選出されました。しかし、第4週のクリーブランド・ブラウンズ戦で右ひざを負傷し、5週間の欠場を余儀なくされました。2014年には、開幕から先発として4試合に出場し、2勝2敗の成績を残しましたが、ベテランのカイル・オートンに先発の座を奪われました。

オークランド・レイダース

2017年3月20日、オークランド・レイダースと1年契約を結びました。第4週のデンバー・ブロンコス戦で、正QBのデレック・カーが背中を負傷したため、マニュエルが出場しました。この試合では106ヤードで17試投のうち11回パスを通しましたが、チームは16-10で敗れました。カーが怪我で出場できないため、翌ボルチモア・レイブンズ戦で先発出場し、159ヤードで26試投のうち13回パスを通しましたが、レイダースは30-17で敗れました。11月19日、先発出場した試合でレイダースがニューイングランド・ペイトリオッツに敗れたことにより、NFL史上初の4か国（アメリカ、カナダ、イギリス、メキシコ）で敗れたクォーターバックとなりました。2018年3月22日、レイダースと再び契約しましたが、9月1日にA・J・マキャロンと契約後にリリースされました。

カンザスシティ・チーフス

2019年2月22日、カンザスシティ・チーフスと契約しましたが、同年5月13日に現役引退を発表しました。引退後は、ACCネットワークでカレッジフットボールの解説者として新たなキャリアをスタートさせました。

エリック・マニュエルは、そのポテンシャルの高さから大きな期待を寄せられましたが、怪我に苦しむなど、必ずしも順風満帆なキャリアを送ったとは言えません。しかし、常に前向きな姿勢で挑戦し続け、NFLの舞台でその名を刻みました。引退後は解説者として、その知識と経験を次世代の選手たちに伝えています。

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