EAST MEETS WEST

『イースト・ミーツ・ウエスト』は、1995年に公開された岡本喜八監督・脚本による日本映画です。時代劇とウェスタンの要素を融合させた、異色の作品として知られています。

舞台は1850年代のアメリカ。幕府の大老・井伊直弼の命により、日米修好条約の批准のため、日本から使節団がアメリカへ派遣されます。使節団はアメリカ海軍艦船に乗り込み、サンフランシスコを目指します。

使節団の一員である、通弁見習いの上條健吉は、水戸脱藩浪士という秘密を抱えていました。サンフランシスコに到着後、使節団の携行金が強盗団に奪われるという事件が発生。その事件に巻き込まれ、死亡した現地人男性の遺児、サムと行動を共にすることになった上條は、強盗団を追うことになります。

一方、奪われた金の回収と上條の抹殺を命じられた下僕の為次郎は、保安官助手の身分を装い、上條の後を追います。

旅の途中で、型破りな教師ハーディや、強盗団から怪我で脱落したハッチ、そして無軌道な若者たちと合流。さらにネイティブアメリカンの娘、ナンタイも加わり、上條と為次郎は、強盗団の首領ガスが牛耳る街ユニコーンを目指します。

ユニコーンでは、サムの父の仇であるガスとの決戦が繰り広げられます。上條の活躍もあり、サムは仇討ちを果たし、為次郎は奪われた金を回収することに成功します。

物語の最後は、上條とサムが東へ向けて旅を続け、為次郎はナンタイと共に現地に残ることを決意します。

本作は、真田広之演じる侍、上條健吉の活躍が中心となっています。アメリカ西部を舞台に繰り広げられる、アクションシーンや、異文化交流を描いたシーンは必見です。共演には、竹中直人、仲代達矢、岸部一徳、本田博太郎など、実力派俳優が名を連ねています。

また、本作は日本だけでなく、アメリカ合衆国ニューメキシコ州サンタフェでもロケが行われました。サンタフェの独特の風景は、映画に独特の雰囲気を与えています。

当初、洋画系での公開が予定されていましたが、番組編成の都合により、松竹邦画系列で繰り上げ公開されました。劇場公開時の上映時間は124分でしたが、後に岡本喜八監督自身による再編集版（108分）も制作されています。

岡本喜八監督独特の演出、時代劇とウェスタンの融合、豪華キャスト、そして美しいロケーションなど、見どころ満載の本作は、時代劇、ウェスタン、そして冒険活劇を愛する人々にとって、間違いなく魅力的な作品と言えるでしょう。

様々な要素が複雑に絡み合い、予測不可能な展開が続く本作は、単なる時代劇やウェスタンにとどまらない、岡本喜八監督の才能が存分に発揮された、唯一無二の作品となっています。その独特の世界観と、時代を超えた普遍的なテーマは、現代においても多くの観客を魅了し続けています。

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