EDLP

EDLP（エブリデイ・ロー・プライス）戦略：常に低価格を維持する販売手法

EDLPとは、Everyday Low Priceの略で、文字通り毎日低い価格で商品を提供する価格戦略です。従来型のHigh-Low Pricing（HILO）戦略のように、定期的なセールやバーゲンで価格を上下させるのではなく、年間を通して一定の低価格を維持することで、消費者に安定した価格帯を提示します。

EDLP戦略のメリット

EDLP戦略を採用するメリットは主に以下の2点です。

販促費用の削減: 特売を告知するための広告宣伝費用が不要になります。常に低価格であることが認知されれば、特別な広告宣伝は必要ありません。このため、広告宣伝費を削減し、利益率の向上に繋げることが可能です。
粗利益の安定化: HILO戦略では、利益率の低いセール商品が大量に売れることで、全体の粗利益が減少するリスクがあります。EDLPでは常に一定の価格で販売するため、粗利益の変動が少なく、安定した収益を確保しやすくなります。

EDLP戦略のデメリット

一方で、EDLP戦略には以下のデメリットも存在します。

徹底したコスト削減の必要性: 常に低価格を維持するためには、徹底したコスト管理と効率的なオペレーションが不可欠です。仕入価格の交渉力、在庫管理、人件費削減など、あらゆる面でコスト削減の努力が必要です。
品揃えの制限: コスト削減のため、取扱商品数を絞り込む傾向があります。大量に仕入れて販売できる定番商品を中心に販売し、ニッチな商品や需要の少ない商品は取り扱わない可能性があります。消費者の選択肢が限られる可能性がある点は、デメリットと言えます。

EDLP戦略を採用している企業例

EDLP戦略は、様々な業種で導入されています。代表的な例として、以下の企業が挙げられます。

スーパーマーケット・スーパーセンター
業務スーパー
西友
ave (横須賀市周辺)
ハローズ (中四国・近畿地方)
バロー (東海地方)

ホームセンター
コーナン (近畿地方)
コメリパワー (新潟市)

ドラッグストア
ディスカウントドラッグコスモス (福岡市)

家電量販店
電激倉庫（撤退）

ディスカウントストア
ジェーソン (関東地方)
* オーケー (関東地方)

100円ショップ
(多くの100円ショップがEDLP戦略に近い価格体系を採用しています)

EDLP戦略と関連する概念

EDLP戦略と関連性の高い概念として、プライベートブランド、ディスカウントストア、ホールセールクラブ、ウェアハウスストアなどが挙げられます。これらの業態は、コスト削減や効率的な販売戦略を通じて、低価格を実現することに取り組んでいます。

まとめ

EDLP戦略は、常に低価格を維持することで消費者に安定感を与え、企業にとっても安定した収益を確保できる可能性のある戦略です。しかし、成功のためには徹底的なコスト管理と効率的なオペレーションが不可欠です。多くの企業がEDLP戦略を採用していますが、それぞれの業種や規模、市場環境に応じて、戦略を最適化することが重要です。

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