EDP (ポルトガルの企業)

EDP：ポルトガルを代表するグローバルエネルギー企業

EDP（Energias de Portugal）は、ポルトガル・リスボンに本社を置く、電力事業と天然ガス事業をグローバルに展開する大手エネルギー企業です。ユーロネクスト・リスボンにも上場しており、世界14カ国に事業拠点を持ちます。

歴史：国営企業からグローバル企業へ

EDPの歴史は、1891年に遡るポルトガルにおける電力事業の黎明期に始まります。1940年代からの全国的な電力網整備を経て、1976年には、それまで各地に分散していた電力事業者を統合する形で、「Electricidade de Portugal」（ポルトガル電力公社）が国営企業として設立されました。当初は発電、送電、配電を独占的に手がけていましたが、1990年代からのEU主導の電力自由化の流れを受け、2000年には送電事業から撤退。2006年には国内電力市場が自由化され、EDPの独占体制は解消されました。2004年には社名を現在の「Energias de Portugal」に変更しています。

1997年の株式上場以降、ポルトガル政府は段階的にEDPの株式を売却し、2013年には全株式の売却を完了、EDPは完全に民営化されました。現在では、中国長江三峡集団がEDPの最大株主となっています。

事業展開：再生可能エネルギーが成長の柱

EDPは現在、ポルトガル国内において水力発電を中心とした発電事業、高い市場シェアを誇る配電事業、天然ガス事業を展開しています。しかし、グループ全体の収益に占めるポルトガル国内事業の割合は4割未満となっており、グローバル展開が加速していることが分かります。

EDPの収益の柱の一つが、スペイン・マドリードに本社を置く再生可能エネルギー事業子会社であるEDP Renováveis S.A.（EDPR）です。EDPRはヨーロッパと南北アメリカ13カ国で風力発電や太陽光発電事業を展開し、EDPグループ全体の収益の3割以上を貢献しています。EDPRの成長は、2007年に世界有数の風力発電事業者であったHorizon Wind Energyを買収したことが大きな転換点となりました。

その他、ブラジル（EDP Brasil）などへの海外展開も積極的で、スペインにおける配電・天然ガス事業、ヨーロッパ沿岸海域におけるオフショア風力発電事業など、多様な事業ポートフォリオを有しています。

まとめ：持続可能なエネルギーへの貢献

EDPは、長い歴史と豊富な経験を基に、ポルトガル国内の電力供給を支えながら、再生可能エネルギーへの積極的な投資を通じて、グローバルなエネルギー企業へと成長を遂げました。中国長江三峡集団を最大株主とする国際的な企業として、今後ますます持続可能なエネルギー社会の実現に貢献していくことが期待されます。

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