EE-3 (装甲車)

EE-3 ジャララカ：ブラジル生まれの装輪装甲偵察車

EE-3 ジャララカは、ブラジルのエンゲーザ社が開発した4輪式の装甲偵察車です。その名前は、中南米に生息する毒蛇、ハララカ（ジャララカ）に由来します。

開発の経緯

第二次世界大戦中にアメリカから供与されたM8 グレイハウンド装甲車の後継となる装甲偵察車の必要性が高まりました。これに応えるため、ブラジル陸軍は新たな装甲車の開発をエンゲーザ社に依頼し、1970年代末から開発がスタート、1980年に生産が開始されました。

当初の目的は偵察と哨戒のみでしたが、後に、対戦車ミサイルや地対空ミサイルを搭載した派生型も開発されることになります。
EE-3はブラジル陸軍向けに開発されたものの、ブラジル軍の実戦部隊には配備されず、その全てが海外へ輸出されました。

設計

車体内部は、前部が操縦席、中部が戦闘区画、後部がエンジンルームという、一般的な装甲戦闘車両のレイアウトを採用しています。車体構造は、2層式の積層鋼板を溶接して製造されており、防御力を高めています。乗員は操縦手、車長、無線通信手の3名です。

操縦席には3つのペリスコープが配置され、周囲の状況を把握できるようになっています。操縦手は車体上面のハッチから乗降します。

車長用のターレットは操縦席後部右側に設置されており、周辺警戒用のペリスコープが3つ付属しています。ターレットにはM2 12.7mm重機関銃を搭載可能で、車内に身を隠したまま射撃を行うことができます。

無線通信手の席は車長用ターレットの左に配置され、車体上部には独立したハッチが設けられています。

採用国

EE-3 ジャララカは、以下の国々で採用されています。

エクアドル
ウルグアイ
ガボン
キプロス

キプロスでは、2023年時点でキプロス国家守備隊がミラン対戦車ミサイルを搭載したEE-3戦車駆逐車を15両保有しています。

関連項目

装輪装甲車
偵察戦闘車
EE-9 カスカベル
EE-11 ウルツ

外部リンク

Military-Today.com（英語）
ArmyRecognition.com（フランス語）

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