ELLEについて
『ELLE』は、
1991年6月13日にエルフから発売された
アダルトゲームです。本作の特徴としては、従来のコマンド選択式ではなく、アイコンを画面内で直接移動させる「アイコンクリック方式」が採用されています。これにより、プレイヤーはより直感的にシナリオを進めることができます。ただし、ゲーム内での調査やアイテム探しは、物語の進行とは直接関係しない場合が多く、プレイヤーはキャラクターとの会話を重視することが求められます。
本作の舞台は、
近未来の
サスペンスであり、核戦争後の荒廃した世界を描いています。同時に、グロテスクな描写やSF要素が盛り込まれたドタバタコメディとしての側面も持っています。シナリオを担当した蛭田昌人は、タイトルの由来として当時の
新宿西口周辺に存在した
水商売の店名を挙げていることでも知られています。
あらすじ
物語は西暦
1999年、緊迫した国際情勢がついに最終戦争を引き起こし、
核兵器が使用されることで地球は荒廃します。生き残った人類は「メガロアース計画」を立ち上げ、世界の治安を守る組織「スナイパー」と、敵対する犯罪組織「ブラックウィドウ」との戦いを展開します。主人公ジョー・タナカは、新たに「スナイパー」の仲間となり、唯一の女性メンバー、エルに魅了されます。
ある日、仲間のロブ・マコナイが失踪し、ジョーとエルは彼の遺体を発見します。ジョーはロブの死を解明する中で、内部の裏切り者について知ることになります。また、仲間が次々と命を落とす中で、エルも危機にさらされます。最終的に、ジョーは黒幕を倒しますが、街は無人となり、自ら非人間的な存在である真実に直面します。ジョーとエルは、真の計画に気づかぬまま人類の未来を託すことを決意します。
舞台設定
本作の時代背景は
2008年で、荒廃した世界を舞台にしています。人々は上層部と一般市民に分けられ、男は「マイラー」、女は「ブリーズ」と呼ばれます。社会は完全な平和を目指すものの、その実態には冷酷な現実が潜んでいます。
主な登場人物
- - ジョー・タナカ: 本作の主人公で、新たに「スナイパー」に加わった青年。自己の階級を秘匿しながら、エルに惹かれていく。
- - エル・マイルズ: ヒロインであり、「スナイパー」の女性メンバー。勝気でありながら、やがてジョーに心を寄せていく。
- - ラインハルト・バックマスター: 「スナイパー」のAクラスの隊員。精悍で人望の厚いベテラン。
- - ビックス・ライトフット: 巨体を持つ「スナイパー」の隊員で、厳しい面構えが特徴。
- - ロブ・マコナイ: 不気味な雰囲気を持つ隊員。
- - クリス・ロンシュタット: バーの店員で、物語に深く関わる。
本作は
2000年に
リメイク版『〔él〕』が発売され、舞台が
2030年に変更されています。新たな技術を駆使したビジュアル表現が強化され、キャラクターデザインも刷新されました。また、
リメイクを基にした
アダルトアニメも
2001年に制作されています。
この作品は、
アダルトゲームとしても異彩を放ち、業界内での影響力を持つ作品へと成長しました。特に、表現の自由度が高かったことから、作品自体が名作として評価を受けています。