ENERGY (CHAGE and ASKAのアルバム)

アルバム概要

『ENERGY』は、チャゲ&飛鳥（現：CHAGE and ASKA）の11作目にあたるオリジナル・アルバムであり、アルバム内の4曲目のタイトルにもなっています。1988年 11月21日にポニーキャニオンから発売され、その後も何度か再リリースされています。特に1993年にはAPO-CDとして、2009年にはSHM-CDバージョンとしての再発売が行われ、高い評価を受けています。

リリースと背景

前作『RHAPSODY』から約8か月の準備期間を経て発表された本作。アルバムの特徴的な点の一つとして、2009年に紙ジャケット仕様として再発売されたことが挙げられます。この際はヤマハミュージックコミュニケーションズが担当し、古き良き時代のCD文化を体現する一端を担っています。

制作過程

『ENERGY』の制作過程は、実は波乱に満ちたものでした。本来はロンドンでのレコーディングを予定していたものの、さまざまな理由からそれが実現できず、日本でのレコーディングに切り替えられました。具体的には、ソロ活動やツアー準備、楽曲提供など忙しい日程が影響を及ぼしました。そのため、ロンドンから技術者やミュージシャンを招く形でのレコーディングが行われることになり、特に飛鳥（現：ASKA）が設立したスタジオ『BURNISH STONE』が初めて使用されることとなりました。

招いたミュージシャンは楽譜を読むことができなかったため、デモテープを聴かせつつアイデアを出し合う独特の手法が取り入れられました。このような環境の中で生まれた楽曲たちは、聴衆に新たな感動を与えるものとなっていきました。

収録曲とその解説

アルバムには、多くの印象的な楽曲が収録されています。特に注目される楽曲の数々を以下に紹介します。

- ripple ring：1988年にリリースされたシングル「ラプソディ」のカップリング曲で、アルバム版はシングルよりも演奏時間が長くなっています。バラッドアルバム『THE STORY of BALLAD』にも収録されています。
- Trip：シングルとして1988年にリリースされ、アルバム版では最後にテンポの変化をもたらした新しいパートが追加されています。
- 赤いベッド：1994年に発売された『Yin&Yang』という2枚組アルバムにも収録されています。
- Energy：TBSの情報番組『朝のホットライン』のエンディングソングに起用され、その後『Yin&Yang』にも収録されています。
- Rainy Nightおよび東京Dollは、特にロンドンから来たミュージシャンをインスパイアの元に制作され、1999年のベスト・アルバム『倆角形 Duet Angle 20th anniversary』にも収録されています。
- Love Affairは、清水宏次朗に提供した楽曲を再度セルフカバーした作品です。同じく『Yin&Yang』にも収録されています。

その他にも、各楽曲はそれぞれのアルバムにも散らばって収録されていることが特徴です。そして、2023年には『君の知らない君の歌』として飛鳥によるセルフカバーも行われています。

参加ミュージシャン

このアルバムでの演奏者として、以下のミュージシャンたちが参加しました：

- ドラム：Richard Stevens、菅沼孝三（M-1）
- ベース：Desmond Foster、雨水英司（M-1）
- エレキギター：Glenn Nightingale、近藤敬三（M-1）
- キーボード：国吉良一、十川知司、澤近泰輔（M-1）
- アコースティックギター：矢島賢（M-4）、笛吹利明（M-1）
- シンセサイザー・マニピュレーター：松武秀樹、中山信彦

まとめ

『ENERGY』はCHAGE and ASKAの音楽的表現の幅を広げる重要な作品であり、リリース以降も多くのファンに愛され続けています。本アルバムは、彼らがどのように音楽を創り上げてきたのかを知るうえで欠かせない一枚です。

もう一度検索