ERA (中村一義のアルバム)

『ERA』（イーラ）は、日本のシンガーソングライター、中村一義が発表した通算3枚目のオリジナルアルバムです。2000年9月6日に東芝EMIよりリリースされました。

前作『太陽』のリリースからおよそ2年の期間を経て制作された本作には、中村一義自身の演奏やプログラミングに加え、多彩な顔ぶれのミュージシャンがゲストとして参加しています。特筆すべきは、後の自身のバンドである100s（ひゃくしき）結成へと繋がるメンバー、例えばキーボーディストの池田貴文やドラマーの玉田豊夢などが、この時点で制作に加わっている点です。他にも、音楽界の重鎮である細野晴臣や、岸田繁（くるり）、真島昌利といった著名なアーティストが参加しており、アルバムサウンドの多様性と奥行きを広げています。

アルバムは全20曲と、ボーナストラック（シークレットトラック）を含む構成となっており、中村一義の音楽的な探求心を示す多岐にわたる楽曲が収録されています。収録曲のほとんどは中村一義自身が作詞・作曲・編曲を手がけていますが、楽曲「威風堂々 (Part 1)」のみ、イギリスの作曲家エドワード・エルガーの原曲をアレンジしたインストゥルメンタルとなっています。また、「ゲルニカ」という楽曲は、スペインの画家パブロ・ピカソによる同名の著名な絵画からインスピレーションを得て制作されました。アルバム全体を通して、ショートトラックを効果的に配置しながら、バラエティ豊かな楽曲が並んでいます。

収録曲は以下の通りです。

イーラ (0:32)
1,2,3 (4:32)
ロザリオ (3:31)
メロウ (4:43)
スヌーズ・ラグ (0:31)
ピーナッツ (4:26)
ショートホープ (4:05)
威風堂々 (Part 1) (1:41) - エドワード・エルガーの楽曲をアレンジ
威風堂々 (Part 2) (3:17)
虹の戦士 (4:11)
ジュビリー・ジャム (0:37)
ジュビリー (5:28)
ゲルニカ (4:07) - パブロ・ピカソの絵画『ゲルニカ』に着想
グレゴリオ (1:26)
君ノ声 (4:50)
ハレルヤ (7:47)
バイ・CDJ (0:25)
ロックンロール (2:50)
21秒間の沈黙 (0:21)
素晴らしき世界 (4:03)
シークレット・トラック

本作の制作に参加した主なミュージシャンは以下の通りです。

中村一義 - ボーカル、コーラス、プログラミング、および自身で演奏した多種の楽器
伊藤直樹 - ドラムス、パーカッション (#09, 10, 14, 15)
玉田豊夢 - ドラムス、パーカッション (#06, 07, 18, 20)
鈴木正人 - ベース (#08, 09, 13, 14, 15, 20)
沖山優司 - ベース (#07, 18)
細野晴臣 - ベース (#06)
高野寛 - ギター (#04, 09, 13, 14, 15, 20)
名越由貴夫 - ギター (#06, 10, 20)
岸田繁 (くるり) - ギター (#07)
真島昌利 - ギター (#18)
細海魚 - キーボード (#03, 04, 09, 10, 13, 14, 15, 16, 18, 20)
池田貴文 - キーボード (#07, 20)
朝本浩文 - キーボード (#06)
権藤知彦 - ストリングス・アレンジ、ユーフォニアム (#08, 13)
徳澤青弦ストリングス - ストリングス (#08, 13)
南浩之 - フレンチ・ホルン (#08)
高田みどり - スネア・ドラム (#08)

『ERA』は、中村一義のキャリアにおいて、多様な音楽的要素を取り込み、後の活動にも繋がる重要なコラボレーションが実現した作品として位置づけられています。

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