EUPHONY

アルバム概要

『EUPHONY』（ユーフォニー）は、日本を代表するフュージョンバンド、カシオペアによって制作された18枚目のオリジナルアルバムです。彼らがキャリアを重ね、円熟期を迎えた時期に発表された本作は、バンドの音楽性がさらに深まり、技術的な精緻さとメロディアスな感性が融合したサウンドが特徴となっています。このアルバムは、当時のカシオペアが追求していた音楽的な方向性を示す重要な作品として位置づけられています。

参加ミュージシャン

本作『EUPHONY』のレコーディングには、当時のカシオペアのレギュラーメンバーが参加しています。彼らの個々の卓越した演奏スキルが、アルバム全体のクオリティを支えています。

野呂一生：エレクトリックギター、アコースティックギターを担当。バンドのリーダーであり、主要なコンポーザーでもある野呂は、自身のシグネチャーモデルであるYAMAHA Issei Modelを中心に、G10ギターMIDIコントローラーやYAMAHA TX802、Roland D-50、RX-5といった機材、さらにはD'AGOSTINO製のアコースティックギターを駆使し、多様なギターサウンドを構築しています。

向谷実：キーボード、アコースティックピアノを担当。多彩な音色を操る向谷は、YAMAHA DX-7、KX-88、TX-816、TX-16W、QX-3、RX-5といったYAMAHA製シンセサイザーやシーケンサーに加え、EMULATOR-II、KORG DSM-1、Roland D-50、D-550、DYNACORD ADD-one、OBERHEIM EXPANDERなど、当時の最新鋭を含む様々なキーボードや音源モジュールを使用し、豊かなシンセサイザーサウンドと繊細なピアノ演奏で楽曲に彩りを加えています。

櫻井哲夫：ベースを担当。グルーヴを支える櫻井は、YAMAHA BB-5000、BB-5000 W/PIEZO PICK UP、STUD Bass、そしてBB-3000フレットレスベースを使用。その力強くも歌心のあるベースラインは、カシオペアサウンドに不可欠な要素となっています。

神保彰：ドラムを担当。変幻自在のリズムパターンを叩き出す神保は、YAMAHA YD-9000 & 6000シリーズのドラムセットを中心に、Zildjanシンバル、Hooperドラムなどを組み合わせて使用。そのテクニカルかつダイナミックなドラミングは、楽曲に推進力と躍動感を与えています。

制作クレジット

アルバム『EUPHONY』は、多くの専門スタッフの協力のもと制作されました。彼らの尽力が、作品の高いサウンドクオリティを実現しています。

プロデューサー：野呂一生、宮住俊介
エグゼクティブ・プロデューサー：萩原克己、Shinichi Toyama
ディレクター：Koichi Nakagawa
プロダクション・マネージメント：Masato Arai
マネージメント：高橋文明 (Fumiaki Takahashi), 丸市勝洋 (Katsuhiro Maruichi), Hisashi Aratake
イクイップメント・コ・オーディネーター：Hideji "Mahka" Uekusa
レコーディング、ミックス・エンジニア：杉森康二 (Koji Sugimori)
マスタリング・エンジニア：Mitsuharu Kobayashi
デジタルエディット・エンジニア：Kazumi Sugiura
アシスタント・エンジニア：志村広行 (Hiroyuki Shimura), 倉石裕治 (Yuji Kuraishi), Masashi Kudo
アートディレクション：Masami Akiyama
写真：Osamu Yabushita
スタイリスト：Reiko Ohishi
ヘアー・メイク：Tadamichi Hiwatashi
* ビジュアル・スーパーバイザ：Masahiro Tomioka

これらのスタッフワークにより、アルバムのサウンドメイキング、エンジニアリング、そして視覚的な要素に至るまで、細部にわたるこだわりが反映されています。

収録曲に関する補足

アルバムのオリジナル盤の収録曲に関する詳細なリストは、この情報には含まれていませんが、後年再リリースされた一部の形態、具体的にはUPCY-6539という規格品番の盤には、ボーナストラックとして「ハレ（ライブバージョン）」が追加収録されています。

参考文献および関連情報

『EUPHONY』に関するより詳しい情報や、バンドスコアなどがリットーミュージックから出版されています。また、CDジャーナルやDiscogs、MusicBrainzといった音楽データベースサイト、さらにはアドリブブログなどのオンラインメディアでも、このアルバムに関する情報やレビューを参照することができます。これらの資料は、アルバムの音楽的な分析や、リリース当時の背景を知る上で有用です。

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