EVERYTHING (アルバム)

Mr.Childrenのデビュー作『EVERYTHING』

『EVERYTHING』は、日本の人気バンドMr.Childrenによる最初のミニアルバムで、1992年5月10日にトイズファクトリーからリリースされました。このアルバムは彼らのメジャーデビュー作品でもあり、アートディレクションは信藤三雄が担当しました。Mr.Childrenの公式ウェブサイトでは、これは彼らの1stアルバムに位置付けられており、次作のフルアルバム『Kind of Love』が2ndアルバムとして扱われています。

アルバムの制作背景

アルバム制作は1991年後半に始まり、バンドのメンバーである桜井和寿が小林武史と初めて顔を合わせたのはその頃です。その後、12月からはサウンドスカイ・スタジオやスターシップ・スタジオで本格的なレコーディングが行われました。桜井はアルバムタイトルの意味について、「何よりも大切なものっていう気持ちを込めて」と語り、リスナーにとっても心に残る作品になってほしい思いを表現しています。

プリプロダクションでは、桜井がフォーク・ギターでの弾き語りデモを基に、小林のマンションで議論を重ねながら進められました。全曲はアマチュア時代の楽曲が再アレンジされて収録され、ストリングスアレンジが小林によって加えられていましたが、生演奏のストリングスは一切使用されていません。小林は、当時のバンドブームに流されない独自の音楽を作りたいと考えていましたが、その実現は難しかったと振り返っています。

アルバムのリリース後、Mr.Childrenは初のライブツアー『'92 EVERYTHING TOUR』を開催し、その後に続く形で『'92 Your Everything Tour』も実施されました。これらのツアーでは、約半数の公演が対バン形式で行われ、バンドthe pillowsとの交流が続いているのも印象的です。初回プレス盤と通常盤ではレーベル面が異なる点もファンにとっては興味深い特徴でしょう。

音楽的成績

『EVERYTHING』は当初あまり知られていなかったため、オリコンチャートでの最高順位は25位と低かったものの、総売上は45.1万枚に達しました。これにより、Mr.Childrenは名実ともに人気バンドとしての地位を確立していくことになります。

収録楽曲の解説

このミニアルバムには以下のような楽曲が収められています。

• - ロード・アイ・ミス・ユー: アルバムの1曲目にあたるこの曲は、一度もアンコール以外で演奏されていない珍しい楽曲です。バンドサウンドの元素が強く活かされています。
• - Mr. Shining Moon: シティポップのリズムが特徴的ですが、ライブでの披露は少ない楽曲です。
• - 君がいた夏: この曲は後にシングルカットされた人気曲です。
• - 風 〜The wind knows how I feel〜: アマチュア時代から親しまれており、後にライブでの披露があります。
• - ためいきの日曜日: 桜井がインスピレーションを得たエピソードがある楽曲で特徴的なサビを持ちます。
• - 友達のままで: 甘酸っぱさが感じられる恋の曲で、ライブでも多く演奏されていました。
• - CHILDREN'S WORLD: 歌詞に一部変更が加えられたこの曲もアマチュア時代から存在しています。

参加メンバー

アルバムでは、桜井和寿（ボーカル、ギター）、田原健一（ギター）、中川敬輔（ベース）、鈴木英哉（ドラム）、小林武史（キーボード）、角谷仁宣（コンピュータープログラミング）、小倉博和（サウンドテクニック）などが参加しており、それぞれがこの作品に貢献しました。

このように『EVERYTHING』は、Mr.Childrenの出発点として、そしてバンドの魅力がたっぷり詰まった作品として、今なお多くの人に愛され続けています。

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