Embracer Group

エンブレーサー・グループの歴史と変遷

エンブレーサー・グループ（Embracer Group AB）は、スウェーデンを拠点とするコンピュータゲーム業界の持株会社です。その歴史は、1990年代にまで遡ります。創業者のラーシュ・ウィンゲフォルスは、幼少期から様々な商品の販売に成功し、13歳で中古コミック販売会社LW Comicsを設立。その後、ゲーム販売にも着手し、16歳でNordic Gamesを立ち上げました。このNordic Gamesは、スウェーデン全土に7店舗を展開する小売チェーンに成長しましたが、2000年にGameplay.comに買収され、その後、経営難からWingeforsに買い戻されました。

新たなスタートと「THQ Nordic」へ

再建されたNordic Gamesは、売れ残りのゲーム在庫を再販するビジネスで成功を収め、2008年にはゲームパブリッシング部門を設立しました。任天堂ハード向けのカラオケゲーム『We Sing』の大ヒットにより、業績は大きく向上しました。その後、倒産したパブリッシャーの資産買収を経て、2016年には「THQ」の商標を取得し、社名を「THQ Nordic」に変更。株式上場も果たしました。

グループ拡大と「Embracer Group」への改名

THQ Nordicは、2018年にKoch Media HoldingやCoffee Stain Holdingなどの大手企業を買収し、急速に規模を拡大しました。2019年には、持株会社としての立場を明確にするため、社名を「Embracer Group」に改称しましたが、子会社のTHQ Nordic GmbHは名称を維持しました。

相次ぐ買収と巨大企業化

Embracer Groupは、その後も積極的な買収戦略を続け、Saber Interactive、Gearbox Software、Asmodeeなど、数々の有力企業を傘下に収めました。2022年には、スクウェア・エニックスからクリスタル・ダイナミックスやエイドス・モントリオールなどのスタジオと人気IPを買収し、世界的なゲーム企業としての地位を確立しました。

現在のエンブレーサー・グループ

現在、Embracer Groupは12の事業グループを持ち、世界45カ国に120以上の社内スタジオと約12,570人の従業員を擁する巨大企業へと成長しました。傘下には、多様なジャンルのゲームを開発するスタジオがあり、そのポートフォリオは非常に幅広いものとなっています。

エンブレーサー・グループ傘下の主な企業・ブランド

PLAION (旧Koch Media)：Deep Silver、Prime Matterなどのゲームレーベルを運営。
Saber Interactive：数多くのゲーム開発スタジオを傘下に持ち、大規模なゲーム開発を担う。
Gearbox Software：『Borderlands』シリーズの開発で知られる。
Asmodee：ボードゲームパブリッシャーとして世界的に有名。
THQ Nordic GmbH：旧THQのブランドを活用したゲームを展開。
Coffee Stain Holding：『Goat Simulator』などのユニークなゲームを開発。
Amplifier Game Invest：インディーゲーム開発スタジオへの投資。
DECA Games：モバイルゲームパブリッシャー。
* Embracer Freemode：新規レーベルとして、多様なゲームを展開。

まとめ

エンブレーサー・グループは、中古ゲーム販売から始まった企業が、積極的な買収戦略によって世界的なゲーム企業へと変貌を遂げた好例と言えるでしょう。その多様なポートフォリオは、ゲーム業界における影響力を増しており、今後の動向が注目されます。

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