Extended Data Services

Extended Data Services (XDS) について

Extended Data Services（XDS）は、以前はEDSとも呼ばれていたデータサービスであり、テレビ映像信号の垂直帰線区間に重畳されたキャプション信号を利用したものです。この技術は、EIA-766というアメリカの工業規格に準拠しており、アナログテレビ番組や他のNTSC映像信号のメタデータを配信するために用いられます。

XDSの利用

XDSは主にアメリカのテレビ局、テレビネットワーク、およびテレビ番組のシンジケーションディストリビューターによって利用されています。その主な用途は多岐にわたります。

1. AutoClockシステム（自動時刻設定機能）：
アメリカで販売されている新しいテレビやビデオデッキの時計を自動的に設定するために、時刻データを「Time-of-Day Packet」という形でXDSを通じて配信します。特に、PBS（公共放送サービス）の多くの局がこのサービスを提供しています。

2. 番組情報表示：
番組名や残り時間など、画面に表示される基本的な番組情報をXDSで送信します。これにより、視聴者は現在放送中の番組や、その残り時間を容易に把握できます。

3. 放送局識別：
どの放送局が番組を送信しているかを示す識別情報もXDSを通じて配信されます。

4. V-chipの内容評価データ：
V-chip（暴力チップ）とは、テレビ番組の視聴制限を行うための技術で、その内容を評価するデータもXDSによって送信されます。

5. Network Alert System (NAS)：
ABCのNetwork Alert System(NAS)でもXDSが使用されています。NASは、ABCの系列局に対して緊急情報や警戒情報を一斉に通知するための一方向通信システムです。

技術的な詳細

XDSは、クローズドキャプションと同じく、垂直帰線区間内の同じ走査線（NTSCの第21行）を使用します。しかし、XDSはフィールド2を使用するため、クローズドキャプションとの間で技術的な競合は発生しません。これにより、両方のデータストリームを同時に送信することが可能になります。

まとめ

XDSは、テレビ放送の効率性と機能性を向上させるために不可欠な技術です。放送局が番組関連情報を効率的に配信するのを助けるだけでなく、視聴者がより便利にテレビを視聴するための機能を提供しています。特に、自動時刻設定や緊急警報システムでの利用は、現代のテレビ視聴体験において重要な役割を果たしています。

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